小説『僕は勇者ではなく騎士だ』
作者:餓鬼()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

 シンクに荷物を持ってきてもらい中身を確認するが無くなっている物はない。

「良かった」

 ロケットを首にかけその中身を確認する。

「汚れてない」

 ロケットに張っている写真は昔にナナミと撮った物だ。

「鞄に入ってたんだユウが首にかけて無かったから驚いたよ」

 シンクが呟いた。

「僕もどこに入れてたのか心配だったんだよ」

 と言ったら。

「その中に何か入ってるのか」

 ガウルが聞いてきた。

「昔に撮った写真が入ってるんだよ」

「写真ってなんだ」

 聞いてきたので

「余り見せたくないんだけど」

 ロケットを開けてガウルに見せる。

「へぇーこれが写真か」

 と言ったが

「で、この隣に居るのが話に出てきた女だよな」

 と言った瞬間にジェノワーズが寄ってきた。

「どれや見せてな」

「私も気になります」

「……」

 三人が寄ってきた。

「押すなバカどもお前らには見せないよ」

 ロケットを閉じて服の中にしまう。

「ユウそれに誰の写真入れてるの」

 シンクも聞いてくる。

「お前にも言いたくない」

 窓の外を見ると夕方になっていた。

「そろそろお祭りの時間だから出ようか」

 僕の提案によって皆が僕の部屋から出る。

「それにしても皆何で見たがるんだ」

 服の上からロケットを握りながら呟いた。

 思ったんだけどさ元の世界に帰れるの?

「うめぇ」

 ガウルが沢山の食べ物を買い込んできた。

「ユウも食え」

 僕の目の前に色んな物を持ってくる、お前は酔ったおっさんか

「何でこの環境になれたんだろ」

 夜になんか知らないけどビスコッティの御姫様が歌うらしい。

「思ったんだけどさ御姫様の歌って凄いの?」

 僕がガウルに聞くと

「お前聞いたことないのかってお前初日倒れてからな」

「そうなんだよね」

 と言ったら

「絶対に聞いた方が良いよユウ」

 何か知らないけどシンクがハマるくらいだから凄いんだろうな。

「聞いてみるよ」

 片手に小説を持ちながら答える。

「小説読んでて聞いてるんかな」

 ノワールのツッコミに

「聞いてるよ」

「ユウは小説を読んでても周りのことは気づいてるから大丈夫だよ」

 シンクが説明をした。

「何回読んでも面白いな」

 小説が読み終わり一息ついた。

「読むの早くないユウ」

 シンクが呟く

「そんな事はないな僕にかかればこれくらいの小説」

「威張るところじゃないよね」

 そんな事より時間は良いころになっていた。

「そろそろ移動しようか」

 たまにすれ違う人に凄い目で見られるんですけど

「思ったんだけどさ僕を見た人が為にさ凄い速さで走って行くんだけど」

 聞いてみたら

「まぁ、お前死にかけてたしそんなにピンピンと歩き回ってるのが不思議じゃねェのか」

「そうなんだ」

 と思いながらステージの方に移動する。

「こんなに大きいんだ」

 ステージを後ろの方から見ながら呟いた。

「本当に初めてなんだな」

 エクレが呟いた。

「そうだって言っただろ歌とか興味なかったから」

「本ばっか読んでいるからヘッポコなんだ」

 何だよコイツイラつくな

「なぁ、シンクコイツしばいていい」

 エクレを親指を向けながら言う。

「駄目だよユウはまだ病み上がりだし」

 治ったのは武器で傷ついたところだけだからな。

「これぐらいの傷、すごくヤバい」

 切り傷だから後には残らないと思うけど何個かは残る。

「それより始まるよユウ」

 その言葉にステージに目を向けると始まった。

 途中で閣下も出てきた時は驚いたけど歌っていいと少しだけ思った、本当に少しだけ。

 この時は思はなかったこの世界からあと数日で去ることになる事に僕はこの世界で沢山の事を教えてもらった。

-12-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




DOG DAYS´ 4(完全生産限定版) [DVD]
新品 \5070
中古 \3605
(参考価格:\6300)