小説『僕は勇者ではなく騎士だ』
作者:餓鬼()

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 ライブが終わりレオ閣下に呼ばれ部屋に行った。

「入ります」

 ノックをして中に入ると中には肉食動物がいるんですけど

「どうしたのじゃ入って来んか」

 その言葉におずおずと入って行ったら

「おわぁ、飛び乗るなそれに舐めるな」

 襲われ遊ばれている。

「なにを遊んでいるユウ」

 そんなこと言っても

「ふぅ、解放された」

 頭や喉などを撫でてどかせた。

「今日はすまなかった」

 閣下が頭を下げてきた。

「頭を上げてください」

 僕は普通に言ったら

「なぜ責めぬのだ」

「だって、閣下も閣下で大変だったんだと思うしそれこそ僕には全く関係ない」

「だが、お主は死にかけた」

 僕は閣下の側に寄り

「それは僕が悪いだけですから」

 頭を抱えて抱きしめた。

「貴方は悪くないですよ」

 と言いながら閣下の頭をなでる。

「そのかわり」

「そのわかりどうした」

 僕の問いを聞いてきた。

「僕の代わりに泣いて下さい、生憎僕の涙は枯れて泣く事が出来ないのでお願いします」

 その言葉と共に閣下は僕の代わりにないでくださった、僕はその間、閣下の頭を撫で続けた。

「それにしてもお主の撫では最高じゃ」

 泣き終った閣下を膝枕しながら頭を撫でている。

「ユウはなぜ許してくれるのじゃ」

 閣下は聞いてきた

「ただ僕は閣下が悪くないと思っただけですから」

 そう言ったら

「レオで構わん」

「レオが言っていたことを聞いたらあなたは御姫様が大切だからそれで焦っていただけですから」

 頭をなでるのを止めずに言う。

「だがその結果、ユウは大怪我を負ったのだぞ」

「今はその傷はありませんよ」

 と言ったら。

「なにを言っているお前は大けがを負って」

 いきなりレオは僕の服を脱がせて傷を確認したら

「ないじゃと」

 驚いていた。

「ほら、あなたは何も悪くないでしょ」

「良かった本当に良かった」

 また泣いてしまった。

「大丈夫です僕は死にませんから」

「その言葉信じてもよいのだな」

「さすがに寿命では死にますけどそれ以外で死ぬことはないですよ」

 少し笑いながら言ってしまった。

「ユウはここに来て後悔はしておらぬのか?」

 レオはそれが一番聞きたかったんだろう。

「最初は戸惑いました気が付いたらこの世界に居て自分がすごしてきた世界とはまるで勝手が違っていたので、ですが僕はここに来て楽しかったですよ」

「なぜそのように思う」

「だってこの世界の人たちはみんないい人ばかりですから」

「そうか、いい人ばかりか」

 はい、この世界の人たちはみんないい人ばかりで僕は変わる事が出来た。

「もし、次に呼ぶときはガレットの方でよんでください」

「そうか、ユウと勇者は帰るのじゃったな」

 帰ったら僕はこの気持を伝えるんだこの……気持ちを伝えてどうしたいんだ僕は

 その後、こちらで過ごす数日はお世話になった方々に色んな贈り物をしたそこまでする必要は僕には無いらしいがこの世界でお世話になったんだそれなりの事はしないとダメだ。

 帰る前日はビスコッティのお城に赴き最後の一日を過ごし

「シンク、お前はやり残した事はないのか」

 祭壇の上に行きシンクに声をかけた。

「僕は」

 と堪えているシンクの背中を蹴った。

「言いたい事があれば言えばいいだろ何を躊躇してるんだ? お前はそんな奴だったか、僕が知ってるお前はそんな奴じゃないだろ」

 後ろを向いて最後に一言

「僕は本を読んでおくから最後の挨拶行けよ」

 僕は鞄を探る振りをした、だって僕の鞄の中には必要最低限の物しか入ってないのだから

「レオに本を預けていたの忘れてたよ」

 浮いていく体、小さくなっていく世界

「また、よんでください」

 それから僕は寝た。

「んっ」

 目が覚めればベットで寝ていた。

 何か長い夢を見ていたような気がする、シンクも同じように長い夢の様な物を見ていたと言っていた。

「ユウも一緒にやろうよ」

 キャンプに来て遊ぶだなんて。

「いいよ本読んでるから」

 いつものように本を読んでいると

「いつもの読んでるの」

 顔を近づけて聞いてくる。

「いや、それがあの本無くなったんだ」

 家の中を探してみても見つからなかった。

「あんなに大切にしてたのに」

「何でだろうなんか引っかかってるんだよ」

 記憶が抜けている。

 その時、一匹の猫が紙を咥えて近づいてきた。

「手紙」

 僕はその猫から手紙を受け取り中身を見て笑った。

「どうしたの笑ってユウ」

 ナナミが聞いてきて

「ナナミ、一勝負しようか」

 真剣な目で言った。

「おっ、やろう」

 木の棒を持ってアスレチックエリアに行く。

「どうしたのいきりなりやる気になって」

 棒を構えながらナナミは言う

「少しやる気になったんだ」

 そう言って飛び出す。

「うわっ、あの頃より早くなってない」

 初撃を防いで呟くナナミ

「当たり前だ」

 後ろに戻り構え直す。

「面白くなってきた」

 ナナミも燃えてきた。

「そうじゃないと」

 棒をお互いに叩きつけながら場所を変えていく。

「はぁ」

 棒を横に振るが飛んで避けられたが

「うわっと」

 着地した木が濡れていたのかナナミはバランスを崩した。

「危ない」

 自分がいた場所から飛び出し落下地点に行く。

「セーフ」

 落ちてくる前に両手を前に出して受け止めた。

「あ、ありがとうユウ」

「これぐらいの事で感謝なんかいらないよ」

「それにしてもユウに負けちゃったよ」

 ヘラヘラ笑っていた。

「負けじゃないなあれはノーカンだ」

「次やったら私が勝つよ」

「僕だってナナミに負けるつもりはないから」

 お互いの拳をぶつける。

「「次は負けないから」」


 それにしてもさっきのは反則だよ。

 かっこ良すぎたよユウ、でもユウは年下だしシンクと同い年なんだよね。

「それに昔の約束覚えてるかな」

 あのバトルの後、シンクが笑ってユウと楽しそうに話してくれた事が一番印象に残ったな。

「レオ閣下でどんな人だろ」

 レオ閣下もユウの優しさに触れたら惚れているかもしれない

「うぅー何だかライバルが増えたようで怖いな」

 私らしくないけど頑張らないと

「それでもビックリだよねユウがイギリスに帰ってくるなんて」

 ユウは今回のキャンプが終わったら高校入学までイギリスに戻るらしい。

「また一緒に居られるのかな」

 そんな事を思いながら睡眠をとる。

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