小説『僕は勇者ではなく騎士だ』
作者:餓鬼()

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「閣下、クー様が本陣に行かれるようですよ」

 と言ったら。

「なら我が迎え撃つから貴様は勇者の方に援護に行け」

 少し距離はありますね。

「少し距離はありますが全速で行ってきます」

「なら行くぞユウ」

「はい」

 セルクルを飛ばして合流しに行く。

「早めに合流したいから」

 と言いつつセルクルから降りて

「蒼炎」

 蒼炎が足に纏ったと思ったら靴が出てきた。

「さて」

 そのまま空を移動する。

「相手は見えなくはないかな」

 弓を取り出して。

「さて動くなよ」

 弦を強く引き放つ

「やっぱここからでは当たらないか」

 矢は相手の上を通過した。

「これで自分のいる場所が分かるが」

 輝力で作った矢をもう一回放つとそれはたくさんに分離して小さな矢になり真っ直ぐ飛んだ。

「小さくなっても僕の蒼炎のせいで威力はありますから」

 空騎士の人を落とすまでにはいかなかったが合流は出来た。

「シンク、ナナミお待たせ」

 池の上に着地した。

「遅いよユウ」

 ナナミが言ってきたが

「遅いのは当たり前だ僕は閣下の方に付いていたんだから距離はあったんだ」

 と言っていたら遠くの方から影が見える。

「来たみたいだよあちらの勇者が」

 その声に二人はテイションが上がったみたいだ。

「ベッキー」

「勝負」

 上からシンク、ナナミの順で言った。

「止めた方が」

 僕の声は虚しく

「はぁ、落とされてるよ」

 砲撃を避けられ通過した時に攻撃され落ちてきた。

「で、大丈夫」

 落ちてきたナナミをキャッチしたが

「ありがと」

 その瞬間、服から破れるような音がした。

 そして全てが破れた。

「きゃぁぁぁぁぁ」

 全力で顔を殴られたが

「痛い」

 意識は保っているが下の方に視線は向けていません。

 この状況どうすればいいのか全く分からないんですけど。

「まぁ、上着きて」

 多分破けると思ったが……無理だ。

「そ、それじゃ僕はこれで」

 上着を渡して地面に水面に置いて直ちに離脱する。

「ユウ、後で覚えといてよ」

 覚えておくのも嫌だよ、忘れたい。

「あぁー見てしまった」

 不覚すぎる不覚すぎる。

「不覚すぎる」

 こうなったら敵を倒して考えるのを止めるんだ。

「僕は守れなかった」

 この後、戦が終わるまでユウは暴れ回ってガレットは勝ち越した。

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