小説『僕は勇者ではなく騎士だ』
作者:餓鬼()

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 話しかけれた通りに部屋に赴いた。

「失礼します」

 ドアをノックして入る。

「来たな腕輪を受け継ぐもの」

 ヴァレリーに名前で呼ばれないのだが

「それでこの腕輪について聞きたいんだよな」

 二人は頷いた。

「あぁ、なぜそいつがお前が持ってるかって事だ」

「その腕輪はカイトの死と共に消えたはずなのです」

 なるほど話が見えてきた。

「この腕輪を持っていたカイトは死に共にこの腕輪もこの世から消えたと言いたいんだよな」

「そうだ、カイトがその腕輪を誰にも継承することもなくどこかに行き力尽きた」

「それで腕輪を付けている僕がそれをどこで手に入れたのかを聞きたいんだよな」

「そうだ、アイツはそれを簡単に渡すような奴じゃなかった」

 ヴァレリーはベットに腰かけながら話を続ける。

「俺みたいな魔王にも簡単に話しかけてきて仲良くしようとするバカが簡単にそれを渡すと思わねェからな」

「僕はカイトからこの腕輪を借りただけです」

「借りたのですね」

「僕は一応この指輪を家からもらっています」

 蒼炎を見せる。

「だろうなそうじゃねェとあの武器が出てくるわけがないからな」

「蒼炎だけはあなたの世界にあったなのですね」

「それを受け継いだ僕はある力を使っていた」

 二人は知っているようだ

「体を崩壊させる力、蒼炎の力か」

「そのような歳で使ったのですか!」

 ヴァレリーは落ち着いているがアデルさんは驚いていた。

「驚くのは分かりますけど体の方は何も無かったですから」

「そうなのですね」

 安心したようにしたが

「蒼炎の効果は本人にはわかんねェよ」

 ヴァレリーが呟いた。

「お前どれくらい使った」

「こっちに来てからほとんど使っていました」

「それで一回倒れました」

 ヴァレリーはそうかと頷き

「それで何か見たのか」

「はい、黒い物が夢で襲ってきたと思ったらカイトに助けられました」

「それで腕輪を継承した」

「違います僕はこの腕輪を借りただけです」

 この腕輪はいつか絶対に返す。

「そうかいその腕輪をかりたと」

 ふーんと考えて

「それとアレを撃ったのはあなたが初めてですよ」

 と言ったら。

「なっ、初めてよく人に撃てたなお前」

「だって相手が魔王なら構う必要ないし」

 アデルさんは笑っていた。

「何だか知らねェが本気でコイツと戦いたいな」

「その時は負けませんから」

「ほぅ、その度胸もアイツに似てるな」

 その言葉でアデルさんも頷く

「何だか嫌じゃないです」

「思ったけどお前は騎士なんだよな」

「そうですけど」

「ふぅん、言うならば黄金の腕輪の騎士か」

 ヴァレリーが呟いた。

「それはいいなのです」

 意味が分からない

「お前の通り名みたいなもんだよ」

「俺だったら魔王、アデルなら白き英雄、カイトは黄金の腕輪の英雄だからお前はその腕輪を持っている間はその名にふさわしい騎士になれよ」

 その後もカイトの事を聞いて本では書いて無かった事が知れてよかった。

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