小説『僕は勇者ではなく騎士だ』
作者:餓鬼()

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 いつの間にか背が伸びていた。

「何だよこの姿」

 自分の姿を見て呟く。

「ユウの方が大きい」

 シンク大人バージョンが寄ってきたが自分の方が背が高かった。

「はっ、良かったなシンク」

 シンクの頭を叩きながら言う。

「何だかキャラ変わってない」

「そうかこっちの方が俺らしいと思うんだけどよ」

 輝力武装を解いた。

「ふぅ、これはこれで疲れる」

 肩を回しながら一息つく。

「それより戻ろうぜ」

 歩いて戻ろうと思ったが

「シンク何やってんだ早く戻るぞ」

 一声かけたら後ろに奴らは追ってきた。

「おっ、戻ってきたで」

 ジョーの声が聞こえてきた

「魔物は倒してきたぜ」

 と言ったら

「アレを使ったでござるかユウ殿」

 小さなダルキアンが言った。

「あぁ、使ったぜ。アイツにはあれの攻撃が一番だからな」

 その言葉にダルキアン以外の者は分からないみたいだ。

「結果はどうだったでござるか」

「相手があれじゃあまり意味はなかったがいいんじゃねぇか」

 そして頭を掻きながらユウは言葉を紡いだ。

「そのなんだ、アイツを出すのに手伝ってもらって助かった」

 その光景にメンバーは全員驚いている。

「あのユウが照れながら感謝してるよ」

「ユウが照れてるなんて」

「見たことないよ」

 幼なじみ三人はそんな事を言っていた。

「それでこれは何時になったら戻るんだよ」

 ユウは自分の姿を見ながら呟いた。

「そのうち元に戻るはずなのです」

 アデルは言っていたが

「待てば元に戻るか待つのは嫌いなんだが」

 はぁーと言いながらその場に座り込んだ。

「ねぇねぇユウ」

 座っているとナナミが近づいてきた。

「なんだよ」

 ユウは嫌々そうに返事した。

「凄く大きくなってるよね」

 その言葉にユウは

「お前が小さくなってるのもそうだがいずれかは大きくなるんだよ」

 と適当に言って座っている。

「(お館様が言っていたけどこれは性格が変わりすぎだよ)」

 お館様以外のメンバーはユウの性格が変わった事を知っているため説明をした。

『ユウ殿の対魔物用輝力武装はどうも性格を変えるみたいでござるよ』

 本人も数回ぐらいしか見たことがないためこの性格がどれだけ続くのか知らないみたいだ。

「で、何でお前は」

 その言葉にナナミは後ろを向く。

「俺の膝に座ってるんだ」

 ユウの側に行ってからすぐに膝の上に座り話をしていたナナミ

「だって何だかこうしていたいんだもん」

「子供かよw」

 と笑っていたユウに

「子供でもいいもーん」

 と頬を膨らませながらナナミは言った。

「ふぁー眠ぃ」

 そう言いながらユウは寝だしその瞬間

「おっ、元に戻った」

 小さくなっていた奴が一人もとの姿に戻ったらしい

 それから何を言っているのは分からないがナナミが

「そのまま目を閉じててよ開けたら許さないから」

 と言われたが膝にかかる重さが重くなっている。

「ナナミそろそろ降りてくれ重い」

 と言ったら頬に平手が当たった感触がした。

「痛いだろ、ッ!」

 目を開けた時見えたのは

「何で裸なんだよ」

 ナナミの裸だった。

「ユウのバカー」

 すかさずナナミのパンチで顔面を殴られた。

「理不尽だろ」

 その後、着替え終わったナナミ達は外に出ていき

「元に戻ったー」

 とシンクが喜んでいた

「やっとかよ」

 俺はそんな感想だった。

 後ろではナナミが顔を真っ赤にして「ユウに見られた、ユウに見られた」などと言っていた。

「早く帰ってアレの完成させるか」

 そう言ったら

「アレって完成してないの」

 とシンクが尋ねてきた。

「まぁな、お前には言えねぇけどあれで完成じゃねぇよ」

 と言ったら

「おっ、なら俺が手伝ってやるよ」

 ガウルが手伝うと言ってきた。

「いや、俺一人でいい」

 そんな事をしていると

「なら少しの間また来ればいいでござるよ」

 とダルキアンが言った。

「まぁ、コツとかは大体わかるが輝力の調整だけなんだが」

「そこから特訓しなおすでござるか」

 とダルキアンは言った。

「勝手に決められたがあんたに聞くのが一番早いな」

 そういうことで俺はガレット組と帰る事にはならなかった。

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