小説『僕は勇者ではなく騎士だ』
作者:餓鬼()

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 「動きたくないから」この言葉ははたから聞いたらただの動きたくない奴の様に思えるが戦いの最中に言ったらどうなるか分かるだろうか、それは相手や味方に怒りを植え付けるものだ。

「そこのお前本気で言ってるのか」

 緑髪の子が引っかかったようだ。

「当たり前だよ、真剣(マジ)で勘弁して欲しいレベルだよ」

 両手に持っていた刀を地面に刺して呟く。

「だってよぉ、僕はただそこのバカに巻き込まれてこっちに来たんだぜ」

 シンクの方を見ながら言った。

「それはユウが出てきたからでしょ」

 と反発していたが

「時間になっても現れない奴が悪い」

 片手で額を押さえながら続ける。

「だから僕が動きたくないって言ってそれは有効の筈だ!」

 言葉を続けようとしたら

「お前のような軟弱な奴は斬る」

 怒って突っ込んできた。

 僕はワザと相手に見えるようにニヤリと笑った。

「馬鹿だなお前」

 地面に刺していた刀を素早く抜き

「そんなリーチの短い武器じゃ無駄」

 相手の武器を上に弾く。

「なっ」

「怒ってたら本来あるはずの力は使えないからね」

 そのまま切り裂こうとしたら

「はあぁ!」

 シンクが上から棒で殴りかかろうとしていた。

「くっ」

「僕の事も忘れて貰ったら困るよユウ」

 片手に握られている刀で防ぐ。

「やっぱり、手ごわいね」

「どうも」

 空中に居るシンクに蹴りを入れる。

「がっ」

 顔面を蹴られたシンクは吹っ飛ぶ。

「えっと、降参していいですか?」

 次にとった行動は先ほどと同じものだった。

「むぅ、どうかしたのかユウ」

 閣下が声をかけてきた。

「それが」

 それを言った瞬間に両手に持っていた刀が砕けた。

「ふっ、なるほどならユウは下がっておれ」

 一応、俺た刀を持って後ろに下がり観察することにする。

「それにしても柄にもなく本気出したかな」

 鞄の中に入れていた本を取り出し読み始める。

「それにしても鞄に入ってた機械類がほとんどダメになっていたなんて」

 あのゴドウィンの攻撃を頑張って躱せばよかったよ。

 まぁ、携帯が無事だったから良かったけど。

「それでもさ二対一であれほどの力量差がでるなんて凄いな閣下」

 僕は全く知らなかった自分を保護してくれた女性が凄く強いなんて、そこで目を閉じてじっとしていたらだんだんと意識が遠のくのが分かる。

「(なんで僕の周りの人って動くのが好きなのかな)」

 そう思いながら眠りに入った。



「むぅ」

 戦が終わり異世界から来たユウの所に戻るとセルクルにもたれて寝ていた。

「こやつはいつも寝ているか気絶をしているな」

 ユウを片手に持ち

「ビスコッティの勇者」

 振り向いた勇者に投げ渡す。

「うわぁ」

 受け止められず下敷きになったが関係はない。

「確かに返したぞ」

 そして戻って行く。



 『一緒に遊ぼよ』

「はっ」

 嫌な夢を見たな

「んっ」

 周りの景色が外から部屋に変わってるんですけどそれにとっても高そうなベットに寝かされているんですけど。

「えっとここ何処?」

 確か刀が折られたから降参して眠くなったから寝て起きたらここ何処の状態

「そんな時は小説でも読もうかな」

 鞄が近くにあるだろうと探すがない

「な、ないだと」

 手を額に当て片目が隠れるようなポーズで言った。

「誰が取ったんだ」

 考えてみる

「ムリだ考えるのだるくなってきたからもう一眠りしようかな」

 ベットにに体を預けようとしたら

「なに二度寝をしようとしている」

 ドアから誰かが出てきて蹴られたんですけど

「大丈夫、ユウ」

 知っている声が近づいてくる

「おい、シンク僕の本はどこにある」

 シンクが来た瞬間に胸倉をつかみ聞いた。

「こ、怖いよユウ。鞄は僕の部屋にあるから大丈夫だよ」

「本当だろうな」

「はい」

 胸倉を離し立ち上がる。

「いつまでそうしてるんだシンク」

 シンクは今だ膝をついて床に座っていた。

「ユウが言えることじゃないよ」

「でっ、僕を蹴った女はどこだ」

 殴る、絶対あの女殴る

「だ、ダメだよ女の子に暴力は」

「あっ!」

 シンクの方に振り向いたらシンクは怯え言葉が出なかった。

「私に用かヘッポコ」

 ブッチ←何かが切れた音

「殺す、このアマ殺す」

 だが僕の体は後ろからシンクに抑えられて動けない。

「絶対だめだから殺しちゃダメだから、エクレもユウに謝って」

「何故私がこいつに謝らなくてはいけない」

「ムカつくこの女」

 この後も騒いでいたらつかれてそのまま眠ってしまった。

-4-
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