小説『不良少女』
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舞羅は重い口を開いた。



「凛、よく聞きなさい。あなたの本当の母親は私じゃないわ。本当の母親は…芽衣よ。知らないか…。つまりね…今の私の顔があなたと似ているのは、翔が言ったとおり整形よ。」




…芽衣?初めて聞いたこの名前は私の胸に響いた。



「芽衣…?私のお母さん…ッ!!」



私はもう、涙が頬を伝っていた。



「最後まで聞いて頂戴。芽衣は…あなたのお父さんが殺したんじゃないの…。本当は私が犯人よ。うらむなら私を恨みなさい。私はあなたのお父さんが大好きだった。だから、罪を犯してまで手に入れたい存在だったの。」



「そうだったのか、舞羅。お前が殺したのか。今まで…騙していたんだなッ!!」




そこには世界でたった一人私の愛する父が立っていた。憎しみであふれた瞳をしていた。そしてその隣には…私がこの世界で二番目に愛してる優雅がいた。

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