小説『なんでもない詩』
作者:文月 青鈍()

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「かいしよこく」





さぁ さぁ


今から始まりまするは一人の子供の悲劇


モノクロとカラーの異色の世界で


その眼に映すのはナニか?


愛されましょう 仲良くしましょう


泣いては鳴いて 啼かずにはいられない


日ごとに増えるは新しいファントム


リンネ・ウンメイ・グウゼン・ヒツゼン


遠くで手招きするのは


天使か悪魔か


哀れな羊は保身に走り オオカミ倒して心安らか


残るは残骸 消えぬは恨み 


怯える羊は何色のユメを見ることでしょう?







さぁ さぁ


今から始まりまするは一人の子供の喜劇


正常と異常との狭間で


その眼に映すのはナニか?


狂いましょう 壊れましょう


笑って嗤って 哂わずにはいられない


日ごとに増えるは壊された人形


キョウキ・ハッキョウ・ラセン・コンラン


遠くで手招きするのは


ピエロかオバケか


笑い続ける羊は何色の夢を見ることでしょう?






さぁ さぁ ショーはこれにて閉幕します


お代はちゃんと払って下さい


金貨・銀貨・銅貨・宝石


そんなモノでは安すぎる


見せるはココロ 魅せるはタマシイ


一生に一度 二度は見れない開幕を


心に刻め しかと刻め


次は アナタのショーを始めます

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