小説『なんでもない詩』
作者:文月 青鈍()

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「 また きみに 」



恋してない


愛してない


同情ではない


兄弟ではない


姉妹ではない


親子でもない


友ではない


親しくない


不幸ではない


幸せではない


感情はない


思考はない


息をしない


動かない


眠らない


でも 死にはしない







深く 深い 意識の海で


浮かんでいるのか


沈んでいるのか


わからないままの


そこにある君


上を見たら光があって


下を見ても光があって


上がらず下がらず ちゅうぶらりん


このまま平行にいるのも


浮上するのも沈殿するのも


考えていない君は


どうするのだろう






また きみに

会いたいと思っている ボクがいる




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