「はるのゆりかご」
それは唐突に襲ってくる
春という季節に運ばれて
うららかな日差しと共に
色とりどりの花の香りと
伸びやかに鳴く鳥の声
ああ
心地いい
耳を澄ませば桜の声
淡く儚い花びらを
一枚一枚拾い集め
ほら
綺麗な花一輪
まるで
まるで温かい揺り籠のよう
願わくば
もう少しまどろんでいたい
この居心地良い木漏れ日のなかで