裕一「・・・金持ちってすごいな」
1階に降りてきてリビングによるともう瑞樹の姿は無く、またあれだけ荒れていたリビングが見違えるようにきれいになっていた・・・あの数分間の間で。
裕一「・・・まぁいい。目障りなやつがいなくなっただけでも・・・それより・・・」
時計の針を見る。
AM9時05分
裕一「・・・久しぶりだな。あいつのところに行くのも」
玄関に向かい、靴を履き、外に出る。雨が降ってる中を裕一は傘も刺さずに出て行った。
瑞樹「あのコートの男を追って頂戴。絶対にばれるんじゃないわよ」
男 「わかりました。お任せ下さい、お嬢様」
一方瑞樹はと言うと、裕一の家から出て行ったものの外に出かけた裕一を尾行していた。
瑞樹「あの感じだととても大切なところに向かうはずよ。じゃないと、今日の私の苦労が水の泡よ」
男 「あの、変に静かだったり、朝食を作ったことですか?まぁご飯はともかく今日のあのお嬢様の変なキャラにも一向に触れないところも何かあるはずですねぇ」
瑞樹「ちょっと!!なにこっぱずかしいこと言うのよ!!」
男 「失礼しました」
ふふっと笑いながら車を運転する。
瑞樹「見てなさい。絶対に私の彼氏にしてみせるんだから」
男 「好きでもないのに」
瑞樹「うるさいわね!遊びよ!あ・そ・び!それなのにこっちが逆に振られたらむかつくじゃない!だから分からせてやるのよ!」
男 「・・・さようでございますか・・・あ」
瑞樹「ん?どうかしましたこと?」
男 「・・・見失いました」
瑞樹「何ですって!?」
見ると裕一の姿はなくなっていた。
瑞樹「何してんのよ!あんた!!」
男 「申し訳ございません」
瑞樹「ああ、もう!役に立たないわねぇ!!」