ガラガラガラ
先生「おーどうだった?あいつの調子は」
茜 「まだちょっと体調が優れないようなので休ませてます」
先生「そうか。悪かったな。それじゃあ席に戻ってくれ。じゃあ授業を再開するぞー!」
先生が黒板に文字を書き始める頃・・・
瑞樹「・・・(今度はどうやってあいつの心を捕まえようか・・・あれは!・・・いや、それじゃあだめだ・・・ん〜迷うな〜やっぱりベタで勝負するしかないのかなぁ)」
頭の中で『裕一を振り向かせよう大作戦!』を一人で練っていた。
保健室
裕一「・・・・・・」
ゆう い ち
裕一「・・・・・・」
なに を まよ っている の?
裕一「・・・・・・」
わたし の こと は もういい から しあわ せ に なって
バサッと起きる
裕一「・・・そんな簡単には無理だよ・・・優奈・・・」
3時間目が始まる5分前、裕一は教室に戻ってきた。すると真っ先にやってきたのは晃・・・いや、茜・・・でもなく、瑞樹だった。手には携帯電話が握られていた。
裕一「・・・なんのつもりだ?」
瑞樹「決まってるじゃない。アドレス、交換しましょ」
裕一「嫌だ。じゃあな」
瑞樹「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
裕一「しつこいな〜なんで俺にばっかり付きまとうんだよ。他にも彼氏がいるんだろ?そいつらと絡めばいいじゃん」
まぁ・・・彼氏と言っても好きではない遊びの彼氏なんだが・・・あえて裕一は口に出さなかった。
瑞樹「いいじゃない。いつでも私と連絡ができるのよ。光栄に思いなさい。そしてひざまつきなさい」
裕一「だからしつこいって・・・」
すると裕一の目にあるものがとまった。
瑞樹「ん?どうしたのよ」
裕一「・・・いいよ。交換してやる」
瑞樹「んなっ?!」
あまりのことに瑞樹は驚きが隠せないようであった。
瑞樹「ど、どうしたって言うのよ?!いきなりあんたが素直になるなんて・・・夢でも見てるのかしら・・・」
裕一「嫌ならいいんだぞ」
瑞樹「ああ!うそうそ!!冗談だって」
・・・彼女の携帯には・・・かわいいネコのストラップが付けられていた。
アドレスを交換した後すぐさま先生が来たので二人はパッと携帯を隠し、瑞樹は自分の席へと戻っていった。
それから放課後・・・
晃 「帰ろーぜーー!!」
裕一「お前一人で帰ってろ。俺は一人で帰る」
晃 「もー冷たいんだから〜裕一キュンってば〜♪」
裕一「・・・死ね」
どごっ
晃 「ベボラップ・・・・!」
昇は気絶した。気絶した晃を置き去りにしたまま裕一は昇降口に向かった。すると後ろから茜が声をかけてきた。
茜 「いまから私も久しぶりに行こうと思うんだけど・・・あんたも来る?」
裕一「遠慮しとく。連れて行くんだったら晃でも誘え」
茜 「・・・そうね。1人では行けそうにもないから・・・そういえば、その晃は?」
裕一「教室で寝てるよ」
茜 「もう。こういうときにあいつってば・・・」
裕一「じゃあ俺は帰るよ」
靴に履き替え、昇降口を後にした。
瑞樹「今日の作戦名!『帰り道であいつの心もわしづかみ大作戦!』」