小説『俺としつこい女』
作者:ブレイバー()

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学校に行って勉強し、帰りにスーパーで物を買って食って寝る。そんな生活が1週間も続いた。瑞樹もあれから諦めず毎日裕一に付きまとった。携帯からも付きまとったがどちらも毎回失敗。そして瑞樹は最終手段に出た。それは・・・『不良絡み大作戦!』というなんとも危なっかしいものだった。

昼休み・・・
瑞樹「たしかこのあたりに・・・あ、いた」
瑞樹はあるところに行っていた。体育館裏。そこには5・6人の不良たちが溜まっていた。不良たちは瑞樹を確認すると立ち上がり迫ってくる。

男 「なんだ、お前」

瑞樹「あなたたちと交渉しに来たの」
するとポケットから財布を取り出し、中にある現金を見せびらかす。

男 「ほぉ〜」



この作戦は不良たちを金で雇い、自らが不良たちに襲われている、というところを裕一に見せる。さすがの裕一でも女の子が襲われているとなれば必ず助けに入る。そこで雇われた不良たちはわざと裕一に負け、瑞樹は裕一の胸の中へ。そして精一杯の甘えで裕一を落とすってのが今回の作戦らしい。

男 「なるほど・・・気に食わないが、ようはその緒方ってやつにわざと負けたらいいんだろ?」

瑞樹「そういうこと。できる?」

男 「へっへっへ。いいぜ。金さえもらえれば何だってやってやるよ」

瑞樹「交渉成立ね」

男 「じゃあさきに前払い」

瑞樹「・・・いいわ」
そう言って財布の中から30万ぐらいだろうか。札束を渡した。

男 「へっへっへ」




裕一「・・・・・・」
そんなことも露知らず裕一はただ机に座ってボーッとしていた。





そして放課後・・・
裕一「・・・・・・」
一人で誰もいない道を歩いていた。

瑞樹「・・っと、やめなさいよ・・・!」
するとわき道の方から瑞樹の声がした。見るとそこには5・6人の不良たちが瑞樹を襲っているではないか。・・・服は着てますよ。

裕一「・・・・・・」
その光景をずっと眺めていると2人の不良が裕一の下に来る。

男 「なんだよ!見てんじゃねぇよ!」

男 「邪魔すんだったら容赦しねぇぞ!」

瑞樹「助けて!(ふっふっふ。さぁ早く私を助けなさい。そして私の術中に落ちるのよ。さぁ早く、早く!)」
すると裕一はこう言った。







裕一「・・・好きにすれば」

全員「・・・・・・はっ?」
それは誰も予想もしない言葉だった。あの瑞樹でさえ口をぽかんと開けている。

裕一「どうせお前らあれだろ?あいつに金でやらされてるだけだろ?ばればれなんだよそういうの」

瑞樹「ちょ、ちょ・・っと・・・」

裕一「どうぞ。お好きなようにやっちゃってください。俺には関係ないんで。んじゃ」
そう言って歩いていってしまった。

全員「・・・・・・」
残された者たちはただ立ち尽くすしかなかったがやがて・・・

瑞樹「ちっ。また失敗か」
瑞樹は悔しがっていたが

瑞樹「まぁ仕方がない。また次の作戦でも考えるか」
歩き出す。

瑞樹「あなたたちもありがとうね。それじゃ」





ガシッ!

瑞樹「・・・なんのつもり?」
1人の男が瑞樹の腕を掴んでいた。すると他の男たちも次々と瑞樹に寄ってくる。

瑞樹「ちょっと!なんのつもりよ!」

男 「・・・これで終わりってことはないだろう?」

瑞樹「は?」

男 「へっへっへ・・・これからもっと楽しもうじゃない」

瑞樹「ちょっと!もう終わったはずよ!離しなさいよ!」

男 「じゃあここからは俺たちの独断だ。楽しく行こうぜ!」

瑞樹「い・・・・いや・・・!」
男たちの笑い声が響き、瑞樹は連れて行かれていった。





晃 「今日も俺一人で下校って・・・悲しウィッシュ!」



ゃ・・・・はなして・・・

晃 「ん?」
するとどこからか声が聞こえた。その声がしたほうを見てみると・・・瑞樹が不良たちに連れて行かれるところだった。

晃 「た、大変だ!!」
昇は駆け出した。



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