次の日・・・
裕一「・・・やっぱりまだ痛い」
頬を擦りながら鏡に向かっていた。
裕一「あ〜まだ紅くなってら。・・・まぁいいや」
気にしないことにしたようだ。今日も学校なので2階に上がり制服に着替える。
裕一「・・・う〜今日も一段と寒いなぁ」
鞄を手に持ち家を出た。
裕一「・・・・・・」
いつものように1人で登校しているといつものように晃がやってきた。
晃 「オッハーー!!」
裕一「・・・・・・」
晃 「いやいや、無視しないでよ〜!」
裕一「・・・・・・」
晃 「無視しないでくださいよ〜〜」
裕一「・・・・・・」
晃 「無視・・・えぐっ・・・しない・・・で・・・うう・・・」
裕一「・・・お、茜」
茜 「おはようお二人さん。・・・どうしたの晃。その傷。そしてなんで泣いてんの?」
晃 「・・・もう・・・いいもん・・・」
茜 「??」
茜 「なるほどねぇ。あの前にそんなことがあったんだぁ」
晃が昨日の出来事をことさらすべて話した。
晃 「あの前?・・・なんかお前したのか?」
裕一「さ・・・さあな」
晃 「?なんかお前焦ってない?そんな顔久しぶりに見たんだが・・・」
裕一「・・・・・・」
正直なところ・・・本当に焦っているようだった。まさかあんなところを茜に見られていたなんて思ってもみなかったようだ。
茜 「ふふふ。そっかそっか」
裕一「・・・・・・」
教室に着くとすぐさま瑞樹が目に入った。
晃 「お、ちゃんと来てんじゃん。よっ黒澤。元気か?」
瑞樹「・・・ええ。まぁ、ね」
そんなこといっても昨日の今日。学校に来れば昨日の不良たちに何かされるかもしれないという不安があるのかもしれない。
裕一「・・・心配すんな。お前は普通に過ごしてればいいんだよ」
瑞樹「・・・ぅん」
晃 「・・・・・・」
茜 「・・・・・・」
裕一「・・・なんだよお前ら。そんなに顔を見んなよ。特に晃は気持ち悪い」
晃 「いや・・・だってよ・・・」
茜 「・・・ええ。まさか緒方くんがそんなことを言うなんてねぇ」
裕一「!・・・フンッ!」
すると恥ずかしくなったのか自分の席に戻っていった。
晃 「ありゃりゃ。これもまた珍しい一面を見ちまった。カッカッカ。」
茜 「ふふふ。そうね」
晃 「よし。このまま今までやられた分をお返ししてやる!というわけで俺はあいつをおちょくってくるわ」
そう言って裕一の席に行った。
茜 「あいつも懲りないわねぇ・・・あなたもだけど」
瑞樹「え・・・?」
茜 「ふふふ。知ってるわよ。あなたここんところ毎日緒方くんに付きまとってるでしょう」
瑞樹「え・・・っと?」
茜 「あ、言っとくけど別に私は彼のことが好きとかそういった感情を持ち合わせて言ってるわけじゃないの。ただね、ちょっとお願いが二つあるの」
瑞樹「お願い・・・?」
茜 「そう。まず一つは、これからもあいつに付きまとって。あいつにはあなたが必要だから」
瑞樹「私が?」
茜 「そう。・・・できるかしら?」
瑞樹にはなにがなんだかわかんない様子だったがコクンと頷いた。
茜 「そう・・・それを聞いて安心したわ」
茜はホッとしたようだった。
瑞樹「・・・それで二つ目は?」
茜 「ああ。えっとね・・・」
今度は何故か瑞樹の耳元で囁いた。
彼を悲しませないで 彼を裏切ったら許さないから
瑞樹「・・・・・・ぇ」
茜 「ふふ。それだけ。それじゃあね」
笑顔でその場を離れていった。
瑞樹「悲しませる?・・・裏切る?いったいどういうことよ・・・」
茜は裕一たちの下に駆け寄っていた。
茜 「・・・なんで晃、教室の隅っこでうずくまって泣いてるの?」
裕一「・・・・・・」
晃 「ぅぅ・・・」
何があったかは知らないが返り討ちにあったようだった・・・それよりも気になることが・・・茜の言う裏切りとはいったいどういうことなのか・・・それは後々わかってくるだろう・・・