茜と晃が2人で重要なところに向かっている頃、裕一は強制的に瑞樹に腕を掴まれ、今商店街の中を歩いていた。
裕一「・・・どこまでいくんだよ」
瑞樹「・・・・・・」
何回これを聞いてもずっと無言だった。・・・そしてやっと口を開く。
瑞樹「・・・まだ・・・ちゃんとしたお礼してなかったから」
裕一「はぁ?」
瑞樹「まだちゃんとしたお礼してなかったから今日はあなたのために何か買ってあげようって思ったの!」
裕一「・・・・・・」
瑞樹「はぁ、はぁ、はぁ・・・わかった?だから今日は好きなものをなんでも」
裕一「お前はアホか」
そう言って額にデコピンをかます。
瑞樹「いったい!なにすんのよ!せっかく私が何でも買ってあげるって言ってるのにどうしてアホ呼ばわりされなきゃいけないのよ!」
裕一「・・・はぁ・・・あのさぁ。昨日俺が言ったこと、覚えてる?」
瑞樹「昨日?」
裕一「そう。俺はこう言ったはずだ。この関係がこのままずっと続けばいいなって。だから俺はそれ以外は望まないよ」
瑞樹「ぁ・・・」
裕一「不器用なんだよ。お前は。もうちょっと柔らかく行こうぜ。何事も、な」
瑞樹「・・・えっと・・・」
裕一「・・・我ながら臭いこと言ってんな・・・はぁ。というわけで、俺にそんなお礼なんてもんはいらない。以上。じゃ、さいなら」
瑞樹「あ、ちょっと・・・!」
そう言って手を軽く振って帰っていった。
瑞樹「・・・不思議な人」
男 「お嬢様もですよ」
瑞樹「わっびっくりした!」
男 「まったくもう・・・いったい彼のどこにお嬢様を引き寄せる力があるのだろうか・・・」
瑞樹「?どういうことよ」
男 「あれ?お嬢様。彼に惹かれてるのでは?」
瑞樹「んなっ!」
瑞樹は使用人の男になにか心にグサッと刺さるようなものを言ってきた。
瑞樹「(私があいつに?そんなわけないわよ。あいつもただの遊びよ遊び!!遊び・・・なんだから・・・)・・・・・・」
男 「お嬢様?」
瑞樹「・・・帰るわ。送って」
男 「は、はい・・・!」
2人は車のほうに向かっていった。