家に前に着いた裕一はふと疑問に思った。
裕一「・・・鍵が開いてる?」
そう。朝ちゃんと閉めたはずの家の鍵が開いていたのだ。まさか泥棒・・・なんてご時世でもないんだがと心で言いつつも少し不安なのでゆっくり開け、中を確認した。サッと入りそのままドアを閉める。
ガチャ・・・
ダッダッダッダッダッダッダッダッダ・・・・ガバッ!
裕一「うお・・・!な、なんだ・・・?!」
閉めたとたん前からものすごいタックルが。その犯人は・・・
??「よっ、お兄ちゃん!逢いたかったぉ〜・・・!」
裕一「・・・三咲?」
親戚で裕一の1個下の従妹、都野三咲(みやこのみさき)であった。
裕一「・・・とりあえず離れてくれないか?この状態じゃあ何もできん・・・」
三咲「あ、ごめんね!じゃあすぐにお茶入れるから早く着替えてきてね、お兄ちゃん!」
裕一「・・・・・・」
久しぶりに騒がしいやつが来たと心の中で思いながら2階へと足を運んでいった。
ズズズ〜〜・・・
裕一「・・・旨い」
三咲「でしょでしょ!これで私への好感度がプラス3アップだね!」
裕一「・・・0だよ」
1階に降りると三咲がお茶をついで待っていた。裕一はそのお茶をすすり、一服していた。
裕一「・・・それで、いったい何のようでこんな寂しい家に来たんだ?」
三咲「ああ、まぁその話は置いといて・・・どぉ?少しは大人っぽく見えるようになったかなぁ」
裕一の前をクルクルと回る。
裕一「・・・変わんねぇよ」
そしてまたお茶をすする。
三咲「ええーーーー!!」
裕一「そんなことより早くようけ」
三咲「そんなこととは何よ!!私にとっては一大事なんだからね!!もう・・・お兄ちゃんなんて大っ嫌い!!」
そう言ってリビングを出て行った。
裕一「・・・俺、なんか悪いことしたか?」
その頃、瑞樹は・・・
瑞樹「・・・・・・」
男 「・・・お嬢様・・・この黒い物体はいったい・・・まさかとは思いますが、石炭?」
瑞樹「し、失礼なこと言わないでよ!!これをどう見たら石炭だって言えるのよ!!」
使用人の目の前にあるもの・・・やはり石炭?そのものだった。
男 「じゃあ百歩譲って石炭じゃないとしましょう」
瑞樹「だから石炭じゃないってば!!」
男 「・・・これは・・・なんです?」
瑞樹「何って、クッキーよ」
男 「・・・・・・」
瑞樹「やっぱり何もあげないわけにはいかないじゃない。それにここまで迷惑かけたんだもの。なにかしないと気がすまないわ」
男 「それでせきた・・・クッキーを渡すと」
瑞樹「次、石炭って言ったら・・・どうなるかわかってる?」
男 「・・・・・・」
こっちはこっちで修羅場だった。