裕一「・・・それで、どうしてここに来たんだ?」
三咲「・・・・・・」
何も言わなかった。どうやら怒っているらしい。
裕一「そんなに怒るなよ。後で何か買ってやるから」
三咲「・・・ほんと?」
上目遣いで裕一を見る。
裕一「ああ。だから早く話してくれないか?」
三咲「ほんと?ほんとにほんと?」
裕一「・・・ああ」
ちょっとイライラしながらも答えた。
三咲「なら・・・はい!」
そう言って鞄の中から封筒のようなものを渡してきた。
裕一「・・・俺宛?」
三咲「そう。お母さんからだよ」
裕一「三咲の?」
その封筒をもらって中から手紙を取り出すと、広げて読み出した。
裕一「・・・裕一くんへ・・・『今日からうちの三咲を裕一くんのところに預けることになったからよろしく。ちょっとうちも大変でね。明日から出張なの。でね自宅じゃ三咲は何にもできないから裕一くんには悪いけど三咲の世話を頼みたいの。あ、三咲には裕一くんのところから学校に行かせるからそこんところは気にしないで。では、ほんとにごめんね。この埋め合わせはいつか返すから』・・・夏見より・・・夏見さん、なんちゅうもんを送り込んできたんだよ・・・」
呆れ顔をしながら三咲を見る。
三咲「お母さんも失礼ねぇ。何もできないなんて大げさな」
裕一「でもほんとのことだろ?」
三咲「それは〜・・・えへへ」
頭をポリポリと掻く。
裕一「・・・これからここに住むつもりか?」
三咲「お母さんがそう言ってるんだし、それに私が・・・その・・・嬉しいし」
顔が赤くなる。
裕一「・・・はぁ・・・これからいろいろと大変そうだ・・・(あいつも含めて)」
三咲「ん?何が?」
裕一「・・・なんでもない」
三咲「何か含みがある言い方ねぇ・・・」
部屋を歩き回る。すると何か思い出したかのように三咲は笑顔で裕一に言った。
三咲「あ、そうだ!久しぶりに優奈さんに会いたいなぁ!あれから6年も会ってないもの・・・ねぇ!元気にしてる?」
裕一「・・・えっ」
瑞樹「・・・・・・」
男 「・・・ほんとにこの・・・クッキーを渡すんですか?」
瑞樹「当たり前でしょ。さ、行くわよ」
男 「え?!わ、私も行くんですか?!」
瑞樹「ええ。行くわよ!」
男 「・・・マジですか・・・」