一時間目が始まった中1人廊下を歩いていた。階段を降り2階にある保健室に向かっていた。
裕一「・・・・・・」
着いた裕一は扉をノックし開ける。
裕一「すんません寝かしてもらえますか?」
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返事はなく誰もいないようだった。
裕一「・・・ま、そのほうが勝手に寝られるからいいか」
ベッドのほうに向かう。保健室には二つベッドがあるのだがその中の一つはカーテンがかけられていて誰かが使っているようだった。ちなみに窓際。
裕一「・・・そっちは俺の特等席だったのだが・・・まぁ贅沢は言ってられないか。さっそく寝かさせてもらうか」
ベッドに座り上履きを脱ぐ。布団にもぐりこみそのまま目を閉じる。するとよほど疲れていたのかすぐに眠りに着いた。
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サーーーーーッ
隣からカーテンが開かれる。
??「・・・・・・」
30分ぐらいして・・・
裕一「・・・ん・・ん〜〜っよく寝た・・・」
先生「じゃないわよ。何勝手に寝てんのよ」
ぽこっ
裕一「そんなチョップじゃ効きませんよ」
先生「ちゃんと手加減してるに決まってるじゃない。私が本気を出したらあんたなんかボッコボコのメッキメキのグシャグシャよ!」
裕一「・・・そうですか」
呆れたように溜め息をつく。
先生「それで、あんたは何をしにここに来たのよ」
裕一「寝に来た」
先生「心を癒しに?」
裕一「・・・・・・」
すると裕一は黙ってしまった。
先生「・・・まぁそれ以上は言うまいよ。とにかく寝たんだったら早く教室に帰りなさい。授業をちゃんと受けないと卒業できないわよ」
裕一「・・・別に卒業できないならそれでもいいし」
先生「そんなこと言わない。早く行きなさい」
腕を引っ張り立ち上がらせる。
裕一「・・・そういえば俺が来る前から隣に誰かが寝てたぞ」
先生「ああ。あんたのクラスの子よ。たしか・・・黒澤瑞樹(くろさわみずき)さんって子よ」
裕一「・・・・・・マジかよ」
頭を不器用に掻く。
先生「ん?どうしたの?」
裕一「・・・あいつが隣にいたなんて・・・・・・あ〜・・・めんどいことになりそうだ。だからみんな消えてしまえばいいんだ」
先生「それは関係ないと思うけど・・・とにかく教室に戻りなさい」
そのまま背中を押され保健室を出た。
・・・ゆっくり歩いて教室に向かうとちょうど1時間目の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。