夜9時・・・
晃 「すっかり喋りこんでしまった。もうこんな時間か」
裕一「そろそろ帰ったほうがいいんじゃないか?」
部屋の中も暖房をつけてないせいか少し肌寒くもなってきていた。
茜 「そろそろおいとましましょ」
晃 「そうだな」
四人は立ち上がり、玄関へと向かった。途中、裕一のポケットの中の形態が揺れたが今は気にしなかった。
晃 「じゃあな」
裕一「襲うなよ」
晃 「誰がそんなことするか!!」
茜 「ふ〜〜ん・・・私の体ってそんなに魅力ないんだ・・・」
茜の目は・・・言わないでおこう。
晃 「いや、そういうことじゃなくてだなぁ・・・!」
茜 「そういうことじゃなくて?」
晃 「・・・ほら!送ってくから早く帰るぞ!!」
昇は顔を紅くしながら走った。照れ隠しというやつか。
三咲「昇くん、照れてる」
裕一「あんなシャイボーイだったか?あいつ」
茜 「ふふふ。それじゃあお二人さん。またね」
裕一「おう」
三咲「おやすみなさ〜い」
茜も晃の後に続いて走っていった。2人の姿が見えなくなるまで裕一と三咲は立っていた。やがて2人の姿が見えなくなると・・・
三咲「・・・ふっふっふ。これでやっと2人ぼっちだねぇ」
裕一のほうに向き直り
三咲「おにいちゃ〜〜〜〜ん!」
抱きしめるために飛び込んだ。しかし目の前にあるのは玄関の壁だった。
裕一「さてと、風呂でも沸かすか」
三咲「ふご!」
三咲はおもいっきり顔をぶつけてしまった。
裕一「・・・なにしてんだ?お前」
三咲「ひ、ひはい〜〜〜・・・」
顔は涙目になっていた。
風呂を洗い沸かしている間リビングで一息。三咲はテレビのバラエティー番組を見て大笑いをしている中、裕一は思い出した。
裕一「そういやたしかメールが来てたな」
ポケットから携帯を取り出す。
裕一「誰からだ?」
メールは・・・・・・瑞樹からだった。
裕一「黒沢?」
メールの内容はシンプルにこう書いてあった。
『あなたの声が聞きたいです』
裕一「・・・・・・三咲」
三咲「ん?」
裕一「ちょっと部屋で電話してくるからその間入ってこないでくれ。重要な話なんだ」
三咲「ん〜〜、わかった」
裕一「それじゃ」
そう言って立ち上がり、リビングを後にした。
三咲「・・・・・・いったい誰と電話するんだろう・・・・・・・・あ、そういえばまだあの事聞いてないや」
しかしまいっかと自分を納得させるとまたテレビに向かって大笑いをしていた。