部屋に入った裕一は一旦ベッドに座り、携帯を開く。そこから受信ボックスまで進み、もう一回瑞樹のメール内容を見る。
『あなたの声が聞きたいです』
裕一「・・・・・・」
瑞樹の部屋
瑞樹「・・・・・・」
ただ一人、ベッドの上でうずくまりずっと携帯を眺めていた。いつ裕一から電話がかかってきてもいいように・・・
ブーーーブーーーブーーー
瑞樹「!!」
ディスプレイを見る。電話だった。発信者は・・・緒方裕一。
ピッ
瑞樹「もしも」
裕一『ば〜〜〜か』
瑞樹「・・・え?」
プツン・・ツーーーツーーーツーーー
瑞樹「・・・・・・・・・・・・ぇ」
裕一の部屋
裕一「これでよしっと!んじゃ風呂にでも入るか」
携帯を机に置く。その瞬間携帯が揺れた。
裕一「・・・なんだよ」
開く。画面には黒澤瑞樹と書かれていた。
ピッ
裕一「なん」
瑞樹『バカアーーーーーーーーーーーーー』
裕一「っ?!!!!!!」
プツン・・ツーーーツーーーツーーー
裕一「・・・み、耳が・・・ぁ・・・」
裕一「・・・それで?どういう風の吹き回しだ?お前から俺の声が聞きたいなんて珍しくて明日太陽でも降ってくるんじゃないか?」
裕一はあの後すぐに瑞樹に電話をかけ直すと瑞樹は泣いていた。
瑞樹『ぅ、うるさいわね!!ただの気分よ!き・ぶ・ん!』
裕一「そうか・・・ほんとはどっかおかしくなったんかと思って少し心配したが、まぁ大丈夫そうだな」
瑞樹『ぇ?し、心配?』
裕一「嘘だよ。そんなわけねぇだろ」
瑞樹『ぐっ!!』
裕一「まぁなんというか、お前らしくもない言葉が来てちょっと焦ったがな」
瑞樹『・・・どういうことよ』
裕一「だってお前ってば何でもかんでも自分主義じゃん?自己中じゃん?我がままじゃん?」
瑞樹『・・・普段から私をどういう目で見てるのよ』
裕一「言葉の通り。わかんない?」
瑞樹『・・・まぁいいわ。それで、なにが変なのよ』
裕一「メールだよ。なにがあなたの声が聞きたいですよだ。お前はそんなこと書くやつじゃないだろう」
瑞樹『う、うっさいわね!!だいたいメールの内容今言わなくてもいいでしょ?!恥ずかしいじゃない』
裕一「ほんとのお前だったら、暇だから電話しなさい!とか言うくせにさ」
瑞樹『ぅぅ・・・』
唸っていた。
裕一「・・・まぁお前の意外なところが見えて少し嬉しかったがな」
瑞樹『・・・・・・へっ?』
裕一「じゃあお休みっ」
瑞樹『あ!ちょ、ちょっと・・・!!』
ピッ
そのまま電源も切った。
裕一「・・・・・・さて、風呂にでも入って、寝るとするか」
そう言って立ち上がった。
瑞樹「・・・・・・どういうことよ・・・・・・はぁ・・・なんでだろう・・・あんなこと言われて私・・・ドキドキしてる・・・」
携帯を開いたままそのまま10分ぐらいぽかんとしていた。