その頃の瑞樹・・・
瑞樹「・・・・・・」
男 「ずっとこの調子なんですよ〜みなさん」
瑞樹「・・・・・誰に話してるのよ」
男 「あ、こっちの話なので気にしないでください」
瑞樹「そ・・・・・・・・・・・・はぁ」
男 「お嬢様は何故か家に帰った時からずっとこの調子。いったい何があったのやら」
裕一は家に帰ってからはリビングにずっと座りっぱなしだった。
裕一「・・・・・・」
三咲「・・・お兄ちゃん?」
裕一「・・・・・・」
三咲「お兄ちゃん!!」
裕一「あ、ああ・・・どうした?」
三咲「どうしたじゃないわよ。帰ってきてからこの調子だし、それにお腹すいた〜〜」
時計を見ると時刻はすでに6時20分。外はすっかり真っ暗だった。
裕一「・・・ああ。そうだな。すまない」
三咲「あ、うん・・・別に謝るほどじゃぁ・・・」
裕一は立ち上がりキッチンに向かった。
裕一「何がいい?あるものだったら何でも作れるよ」
三咲「あ、うん・・・じゃあオムライス」
裕一「よし」
手を洗い、冷蔵庫に手をかける。中からたまねぎや鳥の胸肉などの食材を取り出し、慣れた手つきで調理していく。
三咲「・・・ねぇお兄ちゃん」
裕一「なんだ?」
三咲「何かあった?」
裕一「なんで?俺はいつも通りだぞ」
三咲「・・・私にはそう見えないけどなぁ」
裕一「・・・なんでだよ」
三咲「だって・・・」
そう言って裕一に近づいた。
三咲「お兄ちゃんの顔、何か迷ってる感じだし」
裕一「・・・俺の顔はいつもと同じだろ?なに言ってんだよお前」
三咲「違う!そうじゃない・・・そうじゃないんだけど・・・その・・・いつもと違うって言うか・・・なんか張り詰めてる感じがするって言うか・・・」
裕一「・・・・・・」
どうやら三咲にはそういったことを見抜くことができるらしい。
裕一「・・・・・・」
すると裕一は三咲の頭に手を当て、撫でた。
三咲「あ・・・」
裕一「心配すんな。お前には関係ないことだ。それに・・・すぐ解決するからさ」
三咲「・・・そっか・・・なら、よかった!」
そしてまた裕一はまた調理に取り掛かった。
裕一「ありがとな・・・心配してくれてよ」
三咲「あ、うん!!」
そのまま三咲はリビングに戻りテレビ鑑賞に戻った。
裕一「・・・それにしても・・・あの人・・・女じゃなかったのかよ・・・・・・・・・・・詐欺だよ、詐欺」
あの時ナンパしてた男たちを少し同情した裕一であった。