次の日・・・
裕一「三咲〜準備できたか〜」
玄関で靴を履きながら三咲の名前を叫んだ。
三咲「お待たせ〜」
可愛らしいピンク色のコートを羽織って現れた。ブーツを履いて準備完了。
裕一「さ、行くぞ」
三咲「でもほんとにどこに行くのよ」
裕一「ちょっと悲しくなる場所だ」
三咲「??」
商店街に寄って裕一がある店に入っていった。それは花屋だった。小さな花束を二つ持って出てきた裕一はその一つを三咲に渡した。
三咲「ん〜いい匂い・・・じゃなくて!なんで花なんか買ったの?」
裕一「土産だ」
三咲「土産?ますますわかんなくなってきた」
裕一「さ、行くぞ」
2人はまた目的地に向かって歩き出した。
20分ぐらい歩いてようやくたどり着いた場所は・・・人里離れた殺風景な場所にある墓場だった。
三咲「墓場に何の用よ」
裕一「ここはお前にとっても関係がある場所だ」
三咲「ここが?私の知り合いに死んだ子なんて・・・・・・・・・・・ぁ」
裕一「さ、行くぞ」
三咲「ぁ・・・うん」
2人は奥へと進んだ。
いろいろな墓には一つ一つ丁寧に磨かれており、下には花と線香が添えられていた。2人はそんな道をさらに奥へと進む。
裕一「着いたぞ。ここだ」
2人は目的地の場所にたどり着いた。二人の前には一つの墓があった。下には線香はないが真新しい花が添えられていた。
三咲「ぁ・・・」
裕一「この花は晃たちのだな。さ、俺たちもその隣に置かせてもらおう」
三咲「ゆ・・・ゆういち・・・これ・・・これって・・・どういう・・・こと・・・?」
隣の三咲は目尻に涙を溜めて裕一の腕を掴んでいた。
裕一「見ればわかるだろ・・・・・あいつの墓だよ」
坂本家ノ墓
その下には家族の名前が彫られており、その中に一つ。
坂本優奈
優奈は同い年である裕一、晃、茜・・・そして年も住んでいる場所も離れているが三咲とも幼馴染であり
そしてなにより重要なこと
裕一の愛した女の名前だ
裕一「俺の彼女の墓だ」