小説『俺としつこい女』
作者:ブレイバー()

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店の前ではいつものようにいた女性?店員が掃除していた。

慶太「あれ?あなた・・・緒方君じゃない?!どうしたの?学校は?」

裕一「・・・今日は午前中で終わりです」
切らせた息を何とか落ち着かせて話す。

慶太「そうだったの・・・・・あれ?」
すると今度は裕一の持っている手に目が行った。

慶太「・・・これは・・・」

裕一「・・・・・・はは。これはもう・・・必要なくなったんですよ」
裕一は店のショーケースを見た。

裕一「・・・・・すいません。お仕事中に」

慶太「あ、いいのよ別に。私はいつも暇してるんだから」

裕一「そうですか・・・・・・今日は・・・帰ります」
一礼すると自宅のほうに歩き出した。

慶太「・・・気をつけて帰りなさいよ」
裕一は右手を上げた。

慶太「・・・何があったのかしら・・・あの子に」
そう言って彼女?も店のショーケースを見た。






帰り途中に裕一は茜と出くわした。どうやら何処かに寄ってて、今帰りらしい。

茜 「どうしたの?朝の元気がまるっきりなくなったように見えるけど・・・」

裕一「・・・ちょっと、な」
手に持っている紙袋を力強く握った。袋の端はその跡でクシャクシャになっていた。

茜 「その紙袋・・・」
茜も手に持っている紙袋に目が行った。

茜 「彼女・・・黒澤さんにあげるはずだったプレゼントじゃなかったの?」

裕一「・・・違うよ」

茜 「嘘つきなさんな。今日が彼女の誕生日って知ってるよ」

裕一「・・・・・・」

茜 「ねぇ・・・いったい何が・・・」

裕一「これやる!!」
手に持っていた紙袋を無理やり茜に突きつけてそのまま走り去った。

茜 「あ、ちょっと!・・・いっちゃった・・・」
紙袋は茜の胸の中に収まっていた。中身を見ると・・・白い何かとその横にカードらしきものが。

茜 「・・・やっぱり黒澤さんにじゃん」
誕生日カード。裕一の不器っちょな字が書かれていた。中をあけて読む。

茜 「・・・・・・・・・・・・・・・・・マジで?」






家に着いた裕一は2階に駆け上がり自室に入ってベッドに飛び込んだ。













裕一「あっはははははははははは」















何故か笑っていた。
















裕一「いひひ、いっひひひひひひひ」














笑いは絶えず止まらず、そして・・・













裕一「馬鹿みたい、いや馬鹿だよなぁ、あっはっはっはっはっはっはっは」











目からは涙も出ていた。



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