裕一は吐いた後そのままキッチンで晩御飯を作った。晩御飯を作る最中にも裕一はまたトイレに駆け込み吐いた。
三咲「・・・・・・」
裕一「・・・もうすぐできるからな」
三咲「・・・・・・ねぇお兄ちゃん」
裕一「ん?どした三咲。あ、今日の晩飯か?いやしい奴だなぁお前は。今日は焼きうどんだぞ」
三咲「・・・そんなの見ればわかるよ。でもそうじゃないよ」
裕一「・・・」
三咲「・・・なんで一人分しか作ってないの?」
フライパンの中にはおいしそうに焼かれているうどんと具材たち。
裕一「・・・それは・・・お腹がすいていないからだ!!」
三咲「・・・・・・」
裕一「・・・以上。さ、お前の焼きうどんができたぞ!皿に盛り付けて・・・さ、できた。ほれ、もってけ」
三咲「・・・ほんとに・・・だいじょうぶなの?」
裕一「おう。だからほれ、食え食え」
三咲「・・・じゃあ・・・お言葉に甘えて・・・」
焼きうどんが盛り付けられた皿をテーブルに置いて食べ始めた。その顔はとてもおいしそうに食べてくれているように見えて裕一は安心していた。
裕一「じゃあ・・・俺はもう寝るから」
三咲「・・・・・・ほんとに」
裕一「大丈夫だから。心配すんな」
三咲「・・・うん・・・おやすみ」
そのままリビングを後にして自室に入る。すると激しい睡魔が裕一を襲う。ベッドに飛び込みそのまま眠りに落ちた・・・
次の日・・・
茜 「・・・・・・」
晃 「・・・・・・」
先生「え〜この頃インフルエンザが流行っている。この学校でも既に感染者が出てきている。十分に気をつけるように。では以上」
ホームルームが終わると生徒は立ち上がり、トイレに行くもの、友達と話すもの、次の授業の準備をするもの。さまざまだった。しかし茜と晃は・・・
茜 「・・・・・・」
晃 「・・・・・・」
裕一の机の前で話もせず、ただその場に立っていた。裕一は・・・今日は学校に来ていない。
茜 「・・・何があったのかしら・・・こんなことがあったのって・・・」
晃 「あの日以来だよな・・・」
茜 「・・・・・・」
茜は自分の鞄の横に掛けてある紙袋を見た。
茜 「・・・やっぱり彼女が関係するのね・・・」
今度は瑞樹を見た。瑞樹は椅子に座ってただボーっとしていた。
晃 「・・・なにか知ってるのか?」
茜 「さぁ?」
晃 「さぁって・・・」
茜 「・・・まぁ昼休みにでも彼女の口から話してもらいましょ」
2人は時計を見てそのまま自分の席に着いた。
瑞樹「・・・・・・・・・・・・」