小説『俺としつこい女』
作者:ブレイバー()

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瑞樹「え・・・でも・・・え・・・?!」

茜 「そう・・・彼女はもう・・・亡くなってるの・・・2ヶ月前に、ね」
少し顔を下げる茜。その横で驚愕の顔を浮かべている瑞樹。

瑞樹「・・・・・・優奈・・・さん・・・」

茜 「・・・私と晃と優奈と・・・そして裕一。私たち4人は幼馴染でもあるの。そして2人は・・・ほんとに良いカップルだったわ・・・」

瑞樹「・・・・・・」

茜 「いつも2人は他の人に見せつかせるようにベタベタベタベタしてたわ・・・正直引いたわね」
少し笑う。

茜 「ごめんなさいね」

瑞樹「いえ・・・続けて」

茜 「・・・とにかくほんとに仲が良かった・・・このまま2人でずっと仲良く行くんだろうなぁって・・・思ってたんだけど・・・世の中そううまく行くもんじゃないわね・・・」

瑞樹「・・・・・・」

茜 「・・・交通事故にあったの・・・」







それから今までの経緯をすべて瑞樹に話した茜。

瑞樹「・・・・・・そんな・・・」

茜 「・・・だから彼は・・・ああなってしまったの・・・でも」
瑞樹の顔を見て言う。

茜 「あんたのおかげでほんとに彼が元の昔の彼に戻ってきたのに・・・それを・・・あんたは・・・あんたは・・・彼を・・・裕一を・・・また元に戻してしまったのよ・・・」

瑞樹「・・・・・・」
茜は墓のほうに向き直る。

茜 「・・・ごめんね優奈・・・こんなところでこんな話して・・・・・・今日は・・・帰るね。またゆっくり来るから・・・」
今度は瑞樹のほうに向き直る。

茜 「私・・・先に帰るから・・・帰る道わかるでしょ?・・・じゃ」
そう言ってこの場を去った。





墓場に一人残された瑞樹。ずっと立ち尽くしていた。

瑞樹「・・・・・・」
10分ぐらいしてようやく体を動かし、墓の前で両手を合わせて目を閉じた。




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