裕一「寒っ・・・」
白い息が出るほどの寒さ。コートを着ていてもその寒さがわかるほどだ。少し体を温めるために小走りにコンビニに向かう。
店員「ありがというございました」
自動ドアが開かれ外に出る。手には弁当と温かいお茶を買ったビニール袋が握られていた。歩き出し、3分ぐらい経っただろうか。ふと左の小道を見る。
裕一「・・・・・・」
そこは学校に通じる通学路。
裕一「・・・・・・屋上前の踊場で待ってる・・・か。・・・まさかな。こんな時間まで残ってるわけないよな」
ためしに学校に向かうことにした。
門を飛び越え窓が一つ開いていたのでそこから進入する。そのまま階段を上がっていく。3階まで上がり残りは1階上がるのみ。コツコツと上履きの音が鳴り響く。残りは0、5階。曲がると上に人の足のようなものが見えた。
裕一「・・・・・・マジかよ」
駆け足で上がり顔を見る。
裕一「・・・黒澤・・・」
そこには女子が寝ていた。
裕一「・・・手が冷たい・・・ほんとにずっとここに居たのか?」
見ると少し小刻みに震えていた。
裕一「ここに置いてちゃまずいな・・・」
??「・・・・・・ん・・温かい」
裕一「そりゃそうだ」
??「!!」
裕一「なんせ俺ん家だからな」
??「あ、あなた・・・!」
裕一「目、覚めたか?黒澤」
そう。この女の子こそが裕一に手紙を送り出した張本人、黒澤瑞樹だ。
瑞樹「それに・・・え?ここ、あなたの家?」
裕一「そう。まぁ細かい話は後にして。とりあえず風呂に入って来い。温まるぞ」
瑞樹「・・・・・う、うん」
なんとか納得したのかとりあえず布団から出て風呂に向かっていった。
ダッダッダッダッダッダ
ガチャ
瑞樹「って、納得するわけないでしょ!!」
裕一「まぁそりゃそうだよな〜」