まぁとりあえず落ち着くためにもお茶で一服。二人のお茶をすする音が部屋の中に響く。
二人「・・・おいしい」
瑞樹「じゃないわよ!なんで私があんたの家に居るかって訊いてるのよ!!」
バンッと机を叩く。湯飲みの中のお茶がこぼれそうになったが何とか踏みとどまった。
裕一「あんたがあんなところで1人で寝てたから。じゃあ何、あのまま寝てたかった?」
瑞樹「そ、それは・・・」
裕一「・・・はぁ。それで、なんでこの手紙をよこしたわけ?」
ポケットの中から取り出した一枚の紙。それはあの果たし状にも似た手紙のことだった。
瑞樹「それは決まってるじゃない。ていうか何回も言ってるからわかってると思うけど・・・」
裕一「・・・・・・」
瑞樹は深呼吸をする。3回ほどしたあと裕一の顔を見る。
瑞樹「私と付き合って」
裕一「嫌・・・」
瑞樹「な、なんでよ!!断る理由がわからないわ!!」
裕一「・・・・・・」
すると胸を張って答えた。
瑞樹「頭脳明晰、スポーツ万能。そしてなんと言ってもこの容姿!」
裕一「・・・・・・」
瑞樹「それを!!なんで!!あんたは!!断るのよ!!」
裕一「・・・言わせてもらおう。まず第一、あんた今彼氏いるだろ?」
瑞樹「うん。3人」
裕一「第二、今までに好きになった男の人数は?」
瑞樹「ない」
裕一「第三、これは俺の理由。俺はもう彼女は作らない。以上」
瑞樹「彼女に振られたからでしょ?」
裕一「(ピクッ・・・)」
瑞樹「あなた、他校にいる彼女さんに振られたからもう作らないって言ってるんでしょ?だったら別にいいじゃない。もう終わったことなんだから。だからさ、ね」
裕一「・・・・・・ぇ」
瑞樹「え?」
裕一「うるせえーーーー!!」
その声の方がよっぽどうるさかった。
瑞樹「ちょ、な、なによ・・・!私何か悪いこと言った?!」
裕一「・・・黙れ・・・」
瑞樹「だって本当のことじゃない!」
裕一「黙れ!!」
瑞樹「ひっ・・・!」
後ずさりする。
裕一「・・・帰れ」
瑞樹「な、なんでよ・・・!」
裕一「・・・・・・」
それ以来何も喋らなくなった。それから5分ぐらいたって瑞樹は立ち上がりドアに向かう。開けて出るときに。
瑞樹「・・・諦めないから。あんたを絶対私の彼氏にしてやるんだから」
そう言って出て行った。
裕一「・・・クソッ」
バンッと壁を殴る。
裕一「・・・・・・優奈」