5話 告白
裕一「・・・・・・」
慶太「・・・緒方さん・・・また今日も言ってもいいですか?」
裕一「・・・どうぞ」
慶太「緒方さん・・・・・・何故彼女を追い出したんですか?!」
金八先生風に言った。
裕一「決まってるじゃないですか。あいつがウザいから」
慶太「それがいけないんですよ!!なんで・・・なんでそうやって追い返しちゃうんですか?!」
裕一「・・・・・・」
それ以来声を発しなかった。
慶太「・・・まったく・・・もぉ・・・」
慶太はあきれ返りながらも昨日買ってきたケーキの残りを冷蔵庫から取り出し、口に含んでいた。
慶太「そういえば茜ちゃんと三咲ちゃんも昨日来てくれてたしか・・・お菓子を置いてってくれたわね」
裕一「・・・・・・」
慶太「・・・食べちゃおっと」
ニヤニヤ笑いながらお菓子の袋を開けていた。
三咲「・・・ほんとによかったですよ・・・お兄ちゃん、元気そうで」
茜 「でも・・・やっぱり暗かったわね」
茜は裕一の家に上がりこんで三咲が淹れてくれたお茶を飲んでいた。
三咲「暗かったとは?」
茜 「決まってるでしょ。黒澤さんが来たせいでしょ」
三咲「その・・・気になってたんですけど・・・あの人とお兄ちゃんの間に何があったのですか?」
茜 「ああ・・・えっとね」
それからゆっくり今まであったことをすべて三咲に話した茜。
三咲「・・・そうだったんですか・・・」
茜 「そう・・・だから私は彼女を許さない・・・彼女のせいでまた裕一が元のあの暗い裕一に戻ってしまった・・・」
三咲「・・・でも・・・それは・・・言いにくいんですけど・・・」
茜 「・・・なに?」
三咲「その・・・それは茜さんの勝手すぎるとこもあるというかなんというか・・・」
茜 「・・・・・・」
三咲「す、すいません!!」
頭を勢いよく下げるとそのままテーブルに頭をゴツンとぶつけてしまった。
三咲「イタッ!!」
茜 「・・・・・・ふふ」
三咲「あ・・・」
茜 「ごめんなさいっ笑って・・・ふふふ」
三咲「は・・はは・・・ははは・・・」
額を押さえながら三咲も笑っていた。
茜 「・・・そうね・・・私の勝手かもしれない・・・でも許せないのよ」
三咲「・・・はい・・・」
その場の空気が暗くなってしまった。
茜 「・・・はいっ!」
するといきなり大きな声を発した。
茜 「この話はここまで!違う話をしましょ」
三咲「・・・そう・・・ですね・・・うん!」
それから二人は他愛もない話をしながら笑っていた