小説『アールグレイの昼下がり』
作者:silence(Ameba)

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【プロローグ】


──俺の名前は
月影 乙[ツキカゲ キノト]


人はよく俺に


「乙の事を解ってくれる人が
いつか…きっと」


なんて事を軽々しく口にする。


[いつか]なんてものは
存在しない。


待っていても…
期待しても…
何も変わらない。
俺は自分の運命を自分で決める。


所詮、人間だって弱肉強食。
狩るか、狩られるか…。




俺を愛する人間だって?
馬鹿馬鹿しい…。
奴らが見ているのは俺じゃない。
俺の後ろにいつも
ぴったりと張り付いて離れない
[月影]と言う名前じゃないか。


俺は誰も信用しない。
俺の傍にいたければいればいい。
傍にいても俺は、お前達を
だだのペットとしか思わない。


ただ、俺の欲求を満たすだけの
ラブペットだとしかな…───

-2-
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