小説『アールグレイの昼下がり』
作者:silence(Ameba)

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顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに俯いた。
乙は、優しくクールに微笑むと瀾の顔を上げさせる。

「何だ?顔が真っ赤だな。
俺の寝間着姿なんて見たことあるだろう?」
「あの…///」
「ん?」
「胸…大きいんですね…///」
「え?」

瀾の言葉にキョトンとした。
瀾はさらにモジモジとする。
何か言いたげに、たまにこちらをチラチラと見てくる。

「クス…何だよ」
「あの…乙様の胸…触っても良いですかぁ?///」
「え?構わないけど…」

恐る恐る乙の胸に手を伸ばす。
・・・が、あと少しの所でなかなか手が進まない。
乙は瀾の両腕を掴み、自分の胸に押し当てた。

ぷにゅん…

「あ…////」 
「何、躊躇ってるんだ。
触りたかったんだろ?」
「ほわぁ〜///」
「クス…男じゃなくて残念だったな」
「お…大…きい///」

体格のせいか、瀾の手でも余る程のサイズだった。
手の中で柔らかい感触が広がる。
つい、フニフニと揉んでみると弾力のある柔らかい胸…。

「わぁ、柔らかい…大きい…乙様の胸…///」
「こら!!くすぐったいだろ、揉むなよ!!」
「いくつなんですかぁ?」
「胸は2つだ」
「ち、違いますよぉ!!サイズですぅ!!」
「トップ98・アンダー75のEだが…」
「い・Eカップ…」

再び自分のCカップの胸を見て、ポフポフと確認してみる。
乙の胸が[ぷる゙ん]ならば
瀾の胸は[ふにゅ]だろう。

「なんだ、気にしてるのか?
胸なんてデカきゃ良いってもんじゃないぜ?」
「それは乙様が大きいから、そんな事言えるんですよぉ!!」

瀾はふてくされ、ぷぅっと膨れてみせる。
そんな瀾をスッと抱き寄せると、腕を瀾の腰に回したまま優しく返した。

「俺は、手にスッポリ入るサイズが好きなんだがなぁ。
ほら…こんな風に…」
「…///本当ですかぁ?///」
「ああ…」

途端にパァッと笑顔になり、どうやら機嫌を直したらしい。
瀾は目を閉じキスをねだった。

二人の唇が重なる。
長い沈黙が二人の刻をとめる。

やがて唇が離れると瀾は、ウルリとキスの余韻を惜しんでいる。

「乙様…///私…//」
「ん?」

乙の胸の中でキュッと足を閉じ、モジモジと足をもどかしく動かしている。
アルコールが回っているせいか身体が敏感に、そして気持ちも心なしか大胆になっているらしい。

「どうしたんだ?」

乙はわざと優しく聞き返す。
しかし、その瞳には怪しく妖艶な光が輝いている。

「私…///」

恥ずかしさでどうしても、その先の言葉が出ず乙に抱きつく。

「な〜み♪」

顔を上げると、妖しく微笑む乙の顔が間近にある。
乙のこの眼光は見つめられるだけで、身体を熱くさせる。
潤んだ瞳で乙を見つめ、何かを訴えるかのようだった。

可愛らしく足をモジモジさせている瀾を楽しむかのようにクールに微笑む。

「伝えたい事は、言葉にしないと解らないぜ?」
「うう…乙様のいぢわるぅ///
エスコート…してくれるんじゃなかったん…ですかぁ///」

乙の胸に顔を埋め擦り寄ってくる。

「なんだ…?
アッチの方もエスコートして欲しいのか?」
「////」


瀾は顔を赤くして俯くと小さく頷いた。

「だって…乙様に、そんな瞳で見つめられたら…何だか…///」
「何だか…どうしたんだ?」
「…な気分になっちゃう…」

聞こえるか聞こえないかの小さな声で瀾が答えると、乙はクスリと笑い瀾をベッドへ運び座らせるとキスを交す。

瀾の手に乙の手が重なる。
相変らずキスが上手い。
舌が絡み合うたびにゾクリと体の力が抜けていく…。

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