部屋は静まり返り、寝室側に行くと、乙はまだ眠りの中にいるらしい。
静かに目を閉じている乙の寝顔をしばらく見つめていたが、さすがに起こさないとマズイと思い、乙に声をかける。
「乙様、起きてください」
「…ん…」
瀾の声にうっすら目を開ける。
「…瀾…?ンン〜」
そっと瀾の腕を取ると、キスを求め目を閉じる。
瀾が恥ずかしそうに軽くキスをすると乙は、瀾の腰を引き寄せる。
「きゃっ!!」
「…まだ…足りない…」
普段は、隙がなく完璧なまでに事をこなす乙のこんな姿を見れるのは、ある意味特権と言えよう。
「乙様///」
「…んん?…何だぁ…?」
寝呆けているのか、まだボーッとしながら瀾のお尻をなでる。
乙は、無防備に瀾を引き寄せる。
瀾は、横にある枕で乙の顔をボフッと叩いた。
「むぐっ!!」
枕が顔から離れると乙は、やっとハッキリと目を開けた。
パンフレットで乙を叩いてしまった時のように怒るかとも思ったが意外にも、そうでもない反応に瀾は少しだけ恐る恐る乙の顔色を伺う。
乙は頭を押さえ、やっと体を起こした。
「……」
「目が覚めましたか?」
「…あ、ああ。瀾…」
「はい?」
「酷いな、…もっと優しく起こしてくれたって良いだろう?」
「優しく起こしましたぁ!!
でも乙様が寝呆けて、起きてくれなかったんじゃないですかぁ///」
瀾は、照れながらツンと目を反らす。
乙はクールに微笑み瀾の顔を自分に向ける。
「じゃあ、起きたから今度はちゃんとキスしてくれるだろう?」
「今日は、ガーデンパーティーがあるんじゃないんですか?///」
「キスをする時間くらいはある…」
そういうと、瀾と熱いモーニングキスを交わした。
「乙様…///」
「何だ?」
「朝から、そんなセクシーなキスされたら…///」
「…したくなっちゃう?」
「乙様の…エッチ…///」
「瀾がそんな顔するからだろう?」
乙は意地悪な笑顔で満足そうに、もう一度、キスをした。