小説『くっだんねー!』
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じゅうごわ―――うっっっっっっぜー!




 キーンコーンカーンコーン

 校内に響きの良いチャイムが鳴り響く、生徒は解答欄の埋まった用紙から目を離し一息ついた。

 「やっと、おわりましたねー、テスト」

 クルリと椎名は後ろを向き零に言った。

「そうだな」

 零は手に持った解答欄を椎名に渡す、椎名はそれを受け取ると答え合わせでもするように、零の回答と自分の回答を見比べる。

「何やってんだよ椎名、早く回せ」

「あ、そうですね」

 そう言うと椎名は解答用紙を前の人に渡す。

「すごいですね零君、全部解答欄埋まってますね!」

 それを聞いた零は少し得意そうに鼻を鳴らす。

「まーな」

「なんで寝てるのに出来るんですか?」

「それは秘密だ」

「えー、教えてくださいよー」

「ほらほら! 静かにしろ! 日直号令!」

 解答用紙を数え終えた授業担当の先生が声をかける。

 と、まあ、このように白清高校の中間テストは幕を下ろした。





―――翌日

 中間テストが終わった所為もあってか教室の雰囲気は幾分明るくなったように見える。

「零君! 少しお話があるんですがよろしいでしょうか?」

 いつもの通り机で眠りこけている零に椎名が声をかける、当然の如く零は眠っている最中に起こされるのは大嫌いであり、少し機嫌も悪くなる。

「んだよ! 早く言え、手早く!」

 眠そうに目を細めながら話を催促する。

「わかりました、中間テストも終わったことですので、何処かに遊びに行きましょう!」

「ふーん、行けば?」

 くぁーと欠伸をしながら零は言った、だが、そのような回答では彼女は満足するはずも無い。

「零君も行くんですよ〜!」

「ばぁーか、誰が行くかよくだんねー」

「何でですか〜! 理由を聞かせてください」

「面倒くさいからに決まってんだろうが! テスト終わったぐらいで一喜一憂してんじゃねーよ」

「むー!」

 頬を膨らませ椎名は零の両頬をつかみ捻る。

「いででで! テメッ! 何しやがる!」

「零君は友達との交流が少なすぎます! これをいい機会にしないと友達いなくなりますよ!」

「うるせー! 別に友達なんざ作る気ねーんだよ!」

 そう言うと零は立ち上がり教室から出て行った、その後を追うように椎名も教室をとびだす。

「付いてくるな!」

「嫌です」

「テメェ〜! いい加減にしろ!」

「いい加減にするのは零君のほうです!」

「うっっっっっっぜー!」

「行きましょうってばー!」

「知るか!」

 そう言って零は耳を塞ぎながら駆け出してしまった。

 しかし、それでことが解決するわけではない、それから6時間目まで執拗に勧誘してくる椎名に零の忍耐は限界を超えた。

「だぁーーー! わーったよ! わーった! いきゃーいいんだろうがいきゃー!」

 零は机を蹴っ飛ばし叫ぶ。

「はい!」

「ぐぬぬ!」

 ニコリと笑う椎名と相反するように零は椎名を睨む、だが椎名には零の威圧はまったくと言って良いほど効かない。




――――駅にて。

「では、明日の10時にここで待ち合わせです!」

「くだんねー、何で俺がこんな奴と・・・」

「何か言いました?」

「いってねーよ」

「そうですか? じゃー明日、約束破っちゃダメですよ?」

「うるせぇー」

 フンとそっぽを向きながら零は椎名が電車に乗るのを横目で見ていた。

「あーあ、もう少しねばりゃーよかったかな?」

 そう言って零は携帯を開きメールの文字を打つ。

『わり蔵野、あしたいけねーわ』

 それだけ打つと零は送信ボタンを押す、最近人気のマスコットキャラクターがポストに手紙を届ける、やがれ送信完了の文字、それを見た零は携帯を閉じため息をひとつ。

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