小説『ボカロ日常記録帳』
作者:螺旋()

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〜夜〜




「海斗!!大変大変!!!!」

「うえー?」

バタバタと二階から降りてくる姉ちゃんに、ソファに寝転がって漫画を読みながら返事をすると、

「ダラダラしてないで、真面目に聞いて!!」

と叱られた。なんだよもういいじゃないか(´・ω・`)

「あのね、お母さんとお父さんが会いに来るって!!」

…は?

………意味わかんねぇ。

「えっと、確か、明日の午後4時くらいに来るって。日帰りだけど、晩は食べてくって…」

「意味わかんねぇよ!!」

「……え?」

俺は読んでいた漫画を床に叩きつけ、立ち上がった。

「誰が来るって?」

「お母さんとお父さんだけど……」

「………」

「海斗?」

「…ざけんな…」

「え、今なんて…」

「ふざけんな!!!!」

「か、海斗!?」

いきなり怒鳴り出す俺に、姉ちゃんはビビって動けなくなっていた。

「今更何言おうってんだよ!?俺らを置いていったのはあいつらだろ!?そのせいで俺がどれだけ友達失くしたと思ってんだよ!!今頃来るって?冗談じゃねぇ!!突き返してやる!!」

姉ちゃんの目は、怒りとも悲しみとも言えない色に満ちていた。

いい。今は俺の意見を聞きやがれド畜生。

「もう二度と来るなんてほざくなって、もう二度とお前らとは顔合わせねぇって、言ってやる!親不孝だろうがなんだろうが構うもんか。二度と来んな!!」

俺の過去。

俺が過ごした――あの苦しくて寂しくて辛い時間。

あんな奴らに、わかってたまるかよ…!

「…でも海斗、確かにお母さんたちは私たちを置いていったけど、今だって生活するためのお金は仕送りしてもらってるじゃない。今生活できてるのはお母さんたちのおかげなのよ?少しは感謝しても……」

「ふざけんな!!!!俺はあんな奴ら大ッッ嫌いなんだよ!!!」

確かに今生活できてるのはあいつらのおかげだ。それは認める。

でもあの時間は戻らない。

あの友達は戻らない。

彼女も――戻らない。

「海斗、落ち着いて…」

「うるせぇ!!!!!!」

俺は発狂して意味のわからない咆哮を上げた後、家を出た。

「海斗!!」

姉ちゃんの、心配そうな声を背負って。




――――――

アットノベルス復旧おめでとうございます!


ついでに、海斗の過去は気が向けば別の小説として執筆したいと思います。気が向けば。

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