小説『もしもの世界』
作者:餓鬼()

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 アレをやって次の日の朝、俺は久しぶりに早く起きてしまった。

「ふぁー今何時だ」

 携帯で時間を確認したら朝の四時だった。

「いくらなんでも早すぎるだろ」

 そう思いながらも布団から出て下に降り朝食を取り着替えて登校時間ギリギリまでアレをやり登校する。

「うぃーす」

 俺は三日目は一人で登校して教室に入り挨拶したら。

「ちょっといいか」

 一人の男が近寄り周りに数人の男が寄って来て俺は少し引きながら。

「どうしたんだ?」

 話を聞くことにする。

「お前、もしかして倉本と別れたのか?」

 はぁ、なに言ってんの?

「いや、元から付き合ってないけど」

 俺の気の抜けた言葉に

「なんだと」

「俺達は勘違いしてたのか!」

「まだチャンスはある」

 などと意気込んでいた。

 俺はその奇妙な連中から逃げて自分の席に行くと。

「うっす」

 大輝が挨拶してきた。

「よっ」

 俺は普通に右手を上げながら挨拶する。

 大輝は智香を見ながら

「今日は夫婦登校じゃなかったんですね」

「夫婦違うし、今日の朝は少しアレをしてたからな」

 先に行ってもらっただけだ。

「夫婦認めろ、このクラスの大半はお前らが付き合ってると思ってるんだぜ?」

 それは他人の勝手だろ?

「それならそう思ってればいいだろ、俺は別にモテたい訳でもないし」

 その発言に大輝が怒りながら

「うわーイケメンの発言は怖い」

 イケメンじゃないからな俺は

「だからな、俺のどこがイケメンなんだよ?」

「はぁ、だから鈍感なんだよ」

 意味が分からん

「それで昨日はどうだった」

 話がいきなり変わったが

「そうだな、面白かったな」

 何の捻りない感想に

「他になんかないのか?」

 俺は少し考えて

「そうだな、面白いのは他にはないな」

 それ以外に本当に感想が出てこない。

「はぁーお前のその感想は昔からそうだったよ」

 俺はその言葉に

「俺ってそんなこと言ってたか?」

「言ってた、言ってた、俺がどんなのかって聞いたらお前はいつも」

 そこで目を細めて

「面白いな、お前もやったらわかる。って言ってたんだぜ」

 そんなの知らんし

「お前は部活でやらないんだろ」

 そう言ったら

「そうなんだよ、そうなんだよ。聞いてくれよ俺の先輩がそう言ったゲームが嫌いでよ、そういった類は禁止だって言うんだよ」

 それは、それは難儀な話だな。

「それは残念だな」

 俺には全く関係がないからな

「なんだよその慰め、俺には関係ないから適当でいいやみたいな顔は」

 大輝は半目になって訴えてくるが男の半目はキモいから止めてくれ。

「それと引きこもりにはなるなよ」

「うっ、それだけはならないよ親には迷惑かけたくないからな」

 それを聞いて大輝は

「ほぉー親友が進歩したことに感動するよ」

 何でそこで感動するんだよ。

「そろそろ授業が始まるから戻れ」

 俺は教科書を机の上に置いて大輝を自分の席に戻るように言う。

「そうだな戻るよ」

 今日の午前中の授業は大体は理解でき弁当を食っていると。

「それにしても大体このメンバーってな」

 大輝が言った通りに食べているメンバーは俺に智香に大輝の3人だ。

「いつもだろ」

「なにかあったのか」

 俺と智香の言葉に

「だってよ、智香は一樹の嫁だしさ」

 何だ嫁って?

「そう考えると独り身の俺は寂しいんだよ」

 そう言った大輝に智香が

「だ、誰が一樹の嫁だよ」

 智香はご飯を喉を通してから言い

 俺は大輝を睨みながら

「そうだな、何でそんな事を言うんだ」

 大輝は睨まれて冷や汗をかきながら

「いや、だってよお前らの態度はどう見たって夫婦にしか見えないんだよ」

「そんな風に見えるのか?」

 俺は興味ないが聞く。

「同じ中学の奴らはそう思ってるぜ。今まで話もしなかった2人が話し合ったり弁当を食べてる所や登校、下校の姿を見てたら付き合ってるようにしか見えないんだよ」

 そんな事を言われてもそんなに一緒に居るように思えないが

「はぁ、どんな噂だよ。なぁ、智香」

 智香の方を見るが智香の顔は真っ赤に染まっていた。

「そ、そそうだよな」

 凄く慌てていた。

「それぐらいであわてるなよな」

 俺はそのまま静かに飯を食べていく。

「お前、どんだけクールなんだよ」

 そんなつぶやきが聞こえたが無視だ。

 午後の授業も終わり家に帰りパソコンを起動させたらメールが来ていた。

「誰からだ」

 宛先名は何も書いていなく、ただエリア名が書かれていて『来て』と書かれているだけだった。

「なんだよこれ」

 俺はエリアワードを調べてみるが同じようなワードが見つからなかった。

「なんか特別なワードなのか?」

 俺は疑いながらもマクアヌのカオスゲートに向かい一人で向かうことにする。

「おいおい、なんだよ此処!」

 エリアはダンジョンなのはダンジョンなのだが。

「ここに何があるんだ」

 目の前には奥に続く道だけしかなかった。

「怪しいんだよな」

 俺は少し怪しくなり引き返そうと後ろを向こうとすると

『振り返ってはダメ』

 聞いたことのある少女の声

「進めって事か」

 俺は声の少女を疑いながらも前に進む。

「それにしても殺風景だな」

 周りは真っ暗であるのは足元の道だけしかない。

「ここに何があるっていうんだよ」

 俺はただ進む事しかできなかった。

「それにしても一人でいるのも何だか久しぶりだな」

 俺は初めてこのゲームをやっていた時の事を思い出した。

「一人で難易度が高いダンジョンに行こうとしたら声を掛けられてたんだよな」

 『ねぇ、僕たちと一緒に冒険しない』その言葉で俺はソロからパーティの楽しさを知ったんだよな。

「でもここにはアイツらは居ないんだよな」

 あの事件が終わりカイトは卒業した、他の連中も次々と卒業して行った。

 俺の中の寂しいと思う感情が大きくなってきた。

 その時、目の前に大きなトンネルが現れた。

「この先にメールの送り主がいるんだよな」

 俺は歩く速度を速めて中に入って行く。

「予想通りに中は真っ暗だな」

 進んでいるが前に進んでいるのか横に進んでいるのか全く分からない。

「これで敵が出てきたら終わりだな」

 レベルはまだ15になったばかりだしここの適性が99とか高すぎるだろ。

 俺の不安は増すにつれて周りが暗くなっているように見える。

 俺は一回立ち止まり。

「落ち着け、何を焦ってんだよ俺は独りじゃないんだ」

 カイトたちはここにはいない、だけど

「俺はなんの為に戻ってきたんだよ」

 と思い返すが

「智香に誘われてだけなんだよな」

 うっすらと笑いながら頬をかく。

「まぁ、アイツじゃ出来ないだろうが俺がいたらアリーナ優勝は出来る」

 俺はそう思いながら前に歩き出したら前が明るくなって。

「何だよ此処?」

 目の前には真っ白な空間があると思ったが目の前には保健室でも見るようなベットが一つあるだけだった。

「それにしても古くないか」

 そのベットは昔からそこにあるかの様に見える。

「そもそもここはゲームだ古いのがデフォかもしれないな」

 そう思っていると

『お帰りなさい』

 その声を聴いて俺は空を見たら

「う、嘘だろ」

 そこには白い髪の少女がいた。

「ア、アウラ」

 俺は静かに呟きながらアウラを見るがどこか違う。

「ホログラムなのか」

 アウラはゆっくりと下に降りてた。

「お前はアウラなのか」

 俺の言葉に

 ゆっくりと頷き。

『貴方の中の勇気見せてもらいました』

 なに、もしかしてアウラが俺を呼んだのか。

『彼の代わりにこの世界を救ってほしい』

 彼って、カイトの事だよな。

「待ってくれ、勇気って言われても俺はカイトみたいに周りの奴らに信頼されるような奴じゃないぞ。
俺以外にも適任な奴がいるんじゃないのか」

『この世界を頼みます』

 その言葉を残してアウラは消えて周りが白で埋め尽くされた。

「なっ!」

 俺は眩しさのあまりに目をつぶってしまった。

 周りの光が少なっていき目を開けるとマクアヌのゲート前に立っていた。

 何が起こってるんだ?

 俺は慌てるように自分の体を触っていると右腕に知っている黄金の腕輪があった。

「なんで、こいつが腕に装備されてるんだよ」

 それはカイト、シューゴが付けていた物と同じ腕輪だった。

「まぁ、ここから離れて考えるか」

 先ほどの行動のせいでPK連中に初心者に見える行動をしてしまったようだな。

 俺はドームから出るために出口に向かおうとしたら。

「ちっといいか」

 黄色い服を着て水色の髪をした男に出会った。

-4-
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