小説『家族を愛する男』
作者:()

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第十話 −王と反乱軍−



「ぐあっ!」

「……………参りましたか?」

「ま、まだだ! ぐっ……くそぅ!」



相手の腕を逆に無理やり捻らせて、そのままの体制を保つ

この男はどうやら百代に気があったらしく、此間告白したらしいが……



『すまん、私の身も心もすべて五道のものなんだ……』



しらねぇよ!? 何で俺がこんな目にあわなきゃいかねぇんだ!!

百代! 俺はそんなのに興味ないし、お前は俺のものじゃねぇだろ!? 身も心もってんなんだよ!? 俺が無理矢理みたいじゃないの!?

視線を横に向けると、そこは人混み渦。が、そこにただ一人目立つ女の子が仁王立ちだ

肩に制服かけちゃって、オシャレですか!?



「はぁ〜………」

「あいたたたたたたたた!!!!」

「俺も痛いよ、心が」



















「凄かったなぁ〜。あんな綺麗な関節技を見たのは、初めてかもな!」

「綺麗にしなくちゃ、相手に悪いからな」

「へぇ〜。私は壊すことは得意だから、そんな気を使うほどできないから羨ましいな」



平凡の会話が続いているが、皆気づいて? こんな格闘戦について熱く語る男女二人は、どの世界にも居ません!!



「これで連勝だな! どうだ、私と戦わないか」

「武神に勝てるなら、まずはその前の中ボスを倒さなくちゃいけないのがお決まりだろ?」

「むぅ〜。爺がすぐ許してくれれば、今この瞬間でも戦えるのに」

「そう落ち込むな。俺も落ち込むわ」

『ポン』

「あっ……///」



百代の頭に手を乗せて、撫でる。たく、こんなことまで気を使う何て、俺は凄い優しいな

顔が夕日で赤くなったのかわからなかったが、そのまま颯爽とスピードをあげてそのまま別れた



「じゃ、じゃあな///!」

「おう。また明日













                   『神』に歯向かう前にまずは『王』に喧嘩を売らなきゃな」






そこから俺は街をぶらぶらして、ゲームセンター等人混みが多い所を通る

右いき左いき、もういちど左。正直道なんてどうでもいい



「おい。今度はちゃんと連れてきたんだろうな」

「チッ。気づいてたか」

「そんな怪しさ全開の黒服どもが居れば、そりゃ怪しむわ」

「だけれど、此方は『影』を使う奴のおかげでばれないはずでわ」



と、黒服たちの中に一人だけ雰囲気が違う奴があらわれた。全身に拘束具を付けられて、包帯で全身を覆っている



「なるほどね。あいつの『コピー』か」

「さらにその進化を遂げた者だ。劣化版と一緒にするな」

「グルルル!!!!」



すると突然コピーの奴が喉を鳴らして、片目だけ見開いている目を俺に向けだした

『喰いたい』か、この俺を



「ガァァァァアアアアア!!!!」

「なに!? 『影』を使って拘束具をすり抜けただと!?」



おいおい、これはアレですか? バイオですか? 俺まだクリアしてねぇんだよ? 今回のは確かにグラフィックや主人公たちがカッコいいと聞くがこんなリアルなんですかね? 正直に言うと………



『ドォン!!』

「ガッ!?!?!?!?!?!?!!?!」

「どうでもいいんだよ。誰がテメェ等の頂点だろうが」



顔面に綺麗なストレートが決まった



「良い事教えてやる。こっちの方は、あいつはすでにその数十歩先を進んでいる。『影』のほかにもな」

「くっ!? しょうがない、退く「まぁ、待て馬鹿者共」!?」

「………へぇ」



すると、何処からか女性の声が聞こえた。なるほど、あいつか

コツコツと歩く音が響き、黒服たちが自ら動き出して道を作り出す。そこから、まるで王のような人物が現れた



「久しぶりだな。五道!!」

「久しぶり、お嬢」

「あ、揚羽様!?!?!?!」




額に傷があり、髪は腰まで伸びてスタイルは言い。けれど、何処からか感じる才能だ



「相変わらず凄いな。『気』の量が」

「フハハハハ!!! まだまだ若い奴らには劣らんな!!」

「なら、その今の世代どもと俺の力。どっちが上かわかるか?」



全体に気を放出させて、周りを囲みだす

目で見えるほどの気を扱えるのは、この世に数十人しか居ないだろう



「フム……。やはり貴様は凄いな。さすがは我の『もの』だ」

「………俺は『もの』じゃねぇ。一人の人間だ」

「確かに貴様は人だ。外見、中身もまるまる人間。けれど………貴様は我のだ」

『ブッチン!』



頭の中で理性というのが切れてしまった。こいつの顔を見るとむかつく、こいつを視界に入れるとウザくなる

こいつを思い出すと、昔を思い出してしまう











『ドォォォオォォォォォオオン!!!!』



直後に大砲のような音が響き渡る。辺りに煙が出ており、視界が悪くなる

するとその中に二つの影があった



「ごめんよ。気持ちが重くなって、あんたに右ストレート入れてしまった。ごめんなさい」

「フハハハハ!!! さすがに、片手で受け止めるには少々力が居るようだな!!」



わざわざ俺の拳を包むように、手で握って防いだ

なるほどな。あの百代に引導を渡されて武道を止めたとは聞いたが……



「ガセネタとはなぁぁぁぁ!!!!」

『ドォン!』

「面白い!!! 昔みたいな遊ぼうではないか!! 喧嘩ごっことやらを!!!!」

『ドォン! ドォン!』



その日の川神は、震度5以上の地震があったと言われている





























「おはよー、五道………って、どうしたんだ!? その怪我」

「なに、ちょっと昨日不幸なことがね」




――――――――――――――

飛行機内



「揚羽様。昨日嬉しい事でもあったのですか」

「何。やはりあやつは良い男だなと……フフフ…///」

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