小説『カゲロウ日記(R-18)』
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次のターゲットが決まった。

アカデミー?いやいくらなんでも小さいって、あと5年ぐらいしたら早熟だけど出来のいい木の実がなりそうだしな。
今のうちに摘んでしまうのはもったいない。今は種と肥料をまいとかないとな。


で次のターゲットだが木の葉の特別上忍「みたらしアンコ」だ。

なんでも変態で有名な大蛇丸の唯一の弟子らしい。この大蛇丸という男、相当な変態のようだ。俺とは違うベクトルで。
でこの大蛇丸が大罪を犯して里を抜けたと。それでこの女は大蛇丸のことをまだ追っているようだ。

しかし危険分子の弟子ということで暗部などからもマークされている。と。

師匠が変態だったのは不運としかいいようがないな。そしてその師匠は俺の天敵のような気がする。なんだろう。性的な意味で。

胸はまぁまぁ、性格はキツそうだがそこがいい。抵抗できない状況で嬲りつくしてやるぜ!フハハハハハハ!

おっといかんいかん。これじゃまるで俺が外道のように見えてしまうではないか。

作戦だが・・・

まず近くの会話が聞こえる程度の距離に近づき、そして大蛇丸の情報を知っているということを会話に混ぜればいい。あとはあちらから接触を図ってくるだろう。




でやってきたのが甘味屋。

なんでもみたらしアンコは超甘党という情報だ、主食が団子とお汁粉・・・どうやってあの体型を維持してるんだ?

「団子50本持ってきなさい。あとお汁粉ね。」

なんちゅう注文だ

「カゲロウさん。注文ですよ。」

あ、こっちも注文か、アンコとは敷居を隔てた、耳をすませば会話が聞こえる位置に座っている。

「白、お前適当に頼んどけ。」

その言葉を聞いて喜々として注文する白・・・太るなよ。

「そういや白、知ってるか?」

「何ですか?」

「木の葉には三忍っていうのがいるらしいんだ。自来也・綱手・大蛇丸っていうのが。」

「ほぇ〜ほぅなんですか。」

食べ物口に入れながら話すのはやめなさい。白。

「でその中の大蛇丸って言う奴の情報を掴んでな。」

ガタッ

あ、釣れた。

敷居の向こう側で思わず立ち上がったかのような物音がした。

「白、お前先に帰ってヒナタの手伝いしてな。」

あの子はドジっ娘の匂いがする。食材と間違って指切るタイプだよアレ。

「分かりました。」

白は席をたって店を出る。

さすがに人前では何も仕掛けてこないか・・・


その後わざと暗めの路地へ入り込む。無論、後ろからアンコが尾行してきてるのは承知の上だ。

ちなみに今の俺の格好はそこらへんにいる一般人の格好だ。俺の顔などそこまで広がってはいまい。


突如右肩を掴まれたかと思うとそのまま壁に叩きつけられる。

「声を出さないことね。」

後ろ首にはクナイ。

「大蛇丸の情報を吐いてもらうわよ。」

今の状況はアンコに壁に押し付けられている状態だ。無論、体も密着している。思ったより胸があるな・・・
体をずらしてアンコと正対するような格好になる。まだクナイは首元に密着したままだ。


「誰かと思ったら木の葉の特別上忍のみたらしアンコさんじゃないですか。」

顔を見ただけで名前を当てられたのが意外だったのか驚いた顔をする。

「へぇ〜あたしの顔知ってるんだ。」

「木の葉の忍者がこんなことしていいんですか?」

「もし噂でも立てばあんたが明日の朝をおがめなくなるだけよ。」

殺る気満々だな。しかしまだこれほど大蛇丸に執着しているとは・・・思ったより慕っていたのかもしれんな。
そんな師匠が自分を捨てて里を抜けた、か。

にしても即行動に移してくるとは情報どおり大胆というか率直というか。

「情報ってのは等価交換なものじゃないんですかね。」

あくまで強気にでる。

「あら。尋問って言葉を知らないのかしら?」

互いの吐息が感じられる距離まで顔を近づけて脅しをかけてくる。

「へーえ、じゃあ対等な立場なら取引に応じてくれるんですか。」

視線をずらさず。数センチ先にあるアンコの目を見つめながら話す。

「まぁね」

ここで仕込んでいた仕込みを打つ。
じゃあ対等な立場ってのは

「「こういう状況ですか?」」

ボフン!と音をたててクナイが突き立てられていたカゲロウが消える。

「影分身!?」

捕まっていたのは影分身。本体は近くで影薄めで隠れていたわけだ。
どっからどうみても忍者に見えないさえない男が影分身なんか使ってたらそりゃ驚く。

判断が遅れたアンコのクナイをはじき落とし手をひねって壁に叩きつける。
術を使われたら厄介だからな。というか不意を付かないと勝ち目が無い・・・

首筋にアザ?いやこれは・・・呪印か?また悪趣味なものを。

「これで取引に応じてくれますよね?アンコさん」

「っく!」

その悔しがる表情もまたグッドだな。



「団子30本。あとおしるこ。」

「黒酢あんみつ。」

ということでさっきの甘味屋。

「お前まだ入るのかよ。」

「甘いものは別腹よ。」

さいですか。

「で、何で大蛇丸の情報が欲しいんだ?」

運ばれてきたあんみつを食べながらアンコに問いかける。

「あんたには関係の無いことよ。」

「じゃあ取引だ。俺はお前に情報を渡す。お前は俺の要求を呑む。」

「で、その要求ってのは?」

団子を食べながら投げやりに答えるアンコ。
どこにはいってるんだその量。

「俺の女にな「やだ。」

即答ですか。

「よく考えたらあんたみたいなのが本当に大蛇丸の情報持ってるのか怪しいもんよ?」

「大蛇丸は現在、各国にアジトを持ち移動していたが。今はある国に腰を落ち着けている。その国の大名に取り入っていろいろやってるらしい。」

アンコは本当に有益な情報がもらえるとは思っても見なかったのか心底驚いた顔、そして一瞬歓喜とも憎悪ともとれるような表情をした後

「へ〜え、本当に知ってたのね。」

蜻蛉の情報収集力を舐めるな。物量作戦だけどな!さすがに他国まで飛ばすのは骨が折れる・・・

アンコはしばらく考えこんだあと

「いいわよ。条件を飲んでも。」

意外だな、もっと粘るかと思ってたんだが。
そんなカゲロウの顔を見たのか、

「へぇ、あたしじゃ不満?」

ひじをついて挑発的な態度とポーズをするアンコ。
際立ったプロポーションと整った顔立ちからそれは非常に妖艶にも見える。

「いや大歓迎さ。ところであともう2つ頼みがあるのだが。」

「さすがにこれ以上は飲めないわよ。あっ団子もう10本追加で。」

「いやこれはあんたにも有益なことだ。あんたの呪印をいじってみたいんだが。」

アンコは首筋に手を当てる。忘れたくても忘れられないかつての師への繋がりがここにある。これがあるかぎりアンコの心は大蛇丸に縛られ続けるのかもしれない。

「だけど三代目にも解けなかったのよ?あんたに何が出来るのよ?」


「一応専門家だからな、大体俺の女にそんな気持ちの悪いもんつけられてちゃ胸糞悪い。」

「へぇ・・・じゃあ頼んだわよ!」

背中を叩いて店を出て行くアンコ。

フフフ・・・貴様はもうすでに罠にはまっているッ!今夜を楽しみにしておくがいいわ!


「あ、お客さん。お勘定!さっきの人の分も!」


あんの女・・・



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