小説『ソードアート・オンライン〜幻の両剣使い〜』
作者:定泰麒()

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βテスト開始

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 2022年春5月頃 大手メーカー「アーガス」、〈ソードアート・オンライン〉『Sword Art Online』(SAO)を発表、βテストを開始した。

そう、あれから7年と半年が過ぎた。

 兄さんは、あれからも「アーガス」で働きついにSAOを作り上げた。原作同様世間はSAOに関してすごい盛り上っているようだ。

 俺はといえば、まず大学に行かなかった、無理して大学に行っても時間の無駄だと気付いたからだ。確かに大学に行くことによっていろいろと有利なことがあるのはわかっているのだが、別に、俺は既に名前だけなら有名だったし大学に行っても旨みが少なかった。

 それから2017年に兄さんに少々援助してもらい、俺の助手として俺が使わせてもらっていた大学の研究員たちで信頼できる人を2人ほど引き抜き研究所を立ち上げた。そのおかげで今までと比べると自由な研究をすることができるようになった。

 2020年12月についに AIDSの薬を作り上げることができた。
 
 実に制作を開始して6年の時間をかけてしまった。本気でAIDSの薬だけを作ろうと思ったらもっと早くできていたのだろうと思う。だが俺がこれを開発したためユウキ達姉妹を救うことができた。

 なぜこんなにかかったのかというと俺の目標の一つ目の達成において、どうしても量子物理学の知識が必要だったため2016年からそっちの勉強をしたのだ。

 そのおかげでなんと兄さんとともにナーヴギアの基礎設計を担当することができた。具体的に俺がどういうことを行ったかというと、まずバッテリーを使わない設計にした。このバッテリーのせいで、SAOの犠牲者は命を失ってしまったからだ。そして念のために、兄さんが考えていたセキュリティシステム、セーフティ機構を格段に強化した。ここまでやったのであれば、きっとデスゲームは起こらない。そう思っているが……大丈夫だろうか。どうしても不安感がぬぐえない。設計が終わったときの兄さんの笑みがどうしても引っかかる……






 そしてさらに念のために二つ目の目標である、デスゲーム化した時の対処もしておく。

 その前に言っておくことがある。それは、今俺は主に白血病と癌の研究をしている、他にも色々とやっているが、それだけでなく、新エネルギーの開発もしている。特に力を入れているのは、太陽光だ。

 俺は、研究と同時進行で単純にお金を儲けられる方法を考えた。その時に思いついたのがこの太陽光だ。

 具体的に言うと、太陽光パネルに焦点をあてたのだ。太陽光パネルは、こっちでも作られていたのだが、いかんせんエネルギー還元率が低かった。1mの正方形のパネルで12、6%しかエネルギーに還元されていなかった。そこに俺は、目を付けた。俺は、チートな頭脳を駆使し、いかに効率よく還元するのかを考え、実験もたくさんした。

 そのおかげで、大幅な成果を出すことができた。なんと89,7%もの還元率をたたき出した。それを基にして、日本に新会社を作りそのパネルを売り出した。

 なんとそれが、見事にヒットした。

 それまで出ていたパネルよりも少々高かったが、パネルを2枚買えば自分の家の分のエネルギーをまかなえるだけでなくかなりエネルギーがあまり、その余ったエネルギーを電力会社が買い取るということで元がすぐにとれ、将来的にかなりの利益を生むというのが功をそうしたようだ。今では日本の家の2つに1つがこのパネルを取り付けている。

 これを考えつき実行したのが2017年で年収が22億円ぐらいだったのが、現在では、アメリカ進出もしており、今では、俺の年収は全てを合わせた時に8376億ほどになっている。

 そしてそれに伴い研究所も大きくなった。研究員は、1000人を超えておりいずれも優秀な人材で、全員俺自身でこいつは信頼できてなおかつ優秀かを調べたため、須郷伸之のような人物はいない。

 会社のほうに至っても、社員が1万人を超えている。幹部たちは、これまた自分で調査して、誘っており
幹部だけならばいい人たちだらけだ。





 さらにやはりといっていいのだろうか俺は、もっと有名になってしまった。AIDSの薬を開発したり、太陽光パネルの開発などさまざまなことをやりすぎた。だから以前に比べ、取材の依頼が倍増している。なので俺は、取材は受けないが、代わりに最初から助手をしてくれていた2人に対処させている。

 これらが2つ目の目標とどうかかわって来るのか。これらで得たお金を使って、俺はある物を手に入れた。
 
 それは名称は直接神経結合環境システム(NERve Direct Linkage Environment System)の略称。ハードの内側に埋め込まれた無数の信号素子によって発生した多重電界でユーザーの脳と直接接続し、目や耳といった感覚器にではなく、脳に直接仮想の五感情報を与える事で仮想空間を生成する。同時に脳から体への電気信号も回収するので、仮想空間でいくら動き回っても現実世界の体はピクリともしない。 
 
 そうNERDLES(ニードルス)の第一世代機だ。原作においてこの機械の名称は紹介はされていないが、名称がニードルスとそのままだったので驚いた。

 そう俺は、2018年にこれを買った。なぜなのかそれは、純粋にSAOに入った時に、フルダイブに慣れておきたかったからだ。今に至るまでに日にちで換算すると大体2年分くらいは、潜っている。このアドバンテージは後々わかると思っている。

 俺が考えた対処法とは、純粋に俺が強くなるということだ。そうすれば、ボス攻略においても犠牲を少なくできるし、強いということは、それだけで有利だ。

 このことからわかるように俺の対処方は、SAOで最強のプレイヤーになる。そして、救える命を救い、ある程度原作道理に進めさせてキリトに兄さんを倒させるということだ。

 最初から俺が兄さんを倒せばいいじゃないかと思っているかもしれないが、俺が最初から、ヒースクリフは兄さんであるとわかったらどうなるかを考えた時に、まず何かしらの兄さんから俺に対する行動を起こすかもしれずそれを恐れているからだ。

 原作を見た人達なら知っているだろうが、兄さんはシステムの解除をしないと死なない。最初の時点で兄さんがそれを解いて、勝負するなんてことは万に一つもあり得ない。

 だから原作道理に進ませ、キリトに兄さんを倒させることにしたのだ。俺は、その後ろで名もない人たちが死んで行くのをできる限りで食い止める。

 これが俺が導き出した答えだ。

 2022年5月にナーヴギアが発売した。基本設計とほとんど同じ形をしており、バッテリーなんかも積んでいないようだ。正直に言うとかなり安心している。

 やはり俺が、兄さんとともに作ったのは、基本設計のみだったし、変えようと思ったらいつでも兄さんは、変えられたからだ。

 だから安心した。





 今日から、SAOのβテストが始まる。兄さんに頼んで、俺もβテストに参加させてもらった。

 この日に向け俺は、会社の社長を辞めて会長になっている。そしてフルダイブに集中できるように、専用の部屋まで作った。

 準備は、整った。

 後は、開始を待つのみ。

 さぁ始めよう。




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