小説『ソードアート・オンライン〜幻の両剣使い〜』
作者:定泰麒()

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仲間集め

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 βテストを開始して一か月が経過した。俺は、今βテスターの中でも群を抜いていると評価されていた。

 これも今までの訓練のおかげだと思う。やはり経験の差は、すさまじいものだったとしか言えない。さらに専用のフルダイブ環境のおかげでずっとぶっ続けてログインすることができた。一週間に一回は、起きていたが……

 訓練というのも、俺は自分専用にある一つのゲームを作り上げた。そのゲームは、言うなればただひたすらに剣で敵を倒し続けるといったゲームだ。
 
 広々とした草原に、身長175?で体重70?の細マッチョな体系で、髪はほとんど切っていないためセミロングのような長さになっている。顔は、中性的よりも男性よりな顔で、キリトが兄さんについての顔の表現で『線の細い、鋭角的な顔立ち』と言っていたが俺も兄さんに似ているが兄さんよりも緩い感じといったとこだろう。
 
 まぁそれなりの顔なのではないだろうか。つまり俺自身のアバターと原作で明らかになっている敵を作り上げ、その敵と俺が操る俺自身のアバターを使って戦うというゲームだ。システムはもちろんSAOと一緒にしてある。これも神からもらった頭脳のおかげで作ることができた。

 俺のスタイルは、キリトとほぼ同じと言ってもいいだろう。軽めの装備で、盾はなし、片手用直剣(ワンハンドソード)だ。

 それを約二年続けた、敵は一体ずつ登場で一巡するたびに強くなる。俺もそれに伴いステータスの上昇させたり、武器の能力を上げたりした。

 最初は、よかった。75層のボスである≪TheSkullreaper≫でさえも、動きが遅かったり、単調な攻撃で、倒すのが簡単だった。

 だが10順目に入った時くらいから、自分でこのシステムを作っておいてなんだが、ありえないくらい強くなった。何回も負けたが、最終的に倒すことができてよかったと思う。





 そんな特訓の成果と事前に原作でわかっていた情報を元にプレイし、初日からLVを10まで上げることに成功した。正直に言ってこんなにうまくいくとは、思わなかった。

 原作のβテスターであったキリトが、まぁいろいろあったが、SAO初日でLV3止まりだったのだから
相当なもんなのではないだろうか。

〈はじまりの町〉に着いた瞬間に、裏路地の安い武器屋に直行。そのあとに〈ホルンカ〉に向けて出発し≪森の秘薬≫クエを受け、一時間少々かけ≪リトルネペントの胚珠≫を入手し”アニールブレード”を手に入れた。それからは、ただひたすらに敵を刈り続けた。





 それとこの一か月の間に、自分を鍛えるだけでなく、このβテストに参加しているプレイヤーと交流をたくさんした。

 というのも、このβテストを受けることができた人は、優先的に製品版を手に入れることができ、このβテストを参加したほとんどのプレイヤーは、製品版をプレイすることが予想できる。要するに、俺は仲間を作りたかったのだ。

俺は、デスゲーム化した時の場合。一人だけでは、できることが少なすぎると考えている。

だから単純に仲間が必要だった。それも信用ができて、優秀な人物が……

 そのために俺は、たくさんな人とかかわった。もちろん現実とゲームの世界では、性格が変わる人がいることも分かったうえだ。

その中で俺が、この人物は……と思った人を俺の現実での権力を使い調べ上げ仲間に誘っていた。

 そして今に至るまでに20人ほど仲間にすることに成功した。内訳は、戦闘職が14人。製造系が6人となっている。





 それらの人には、デスゲームになる可能性を告げないまま、製品版になったとき今と同じ能力の上げ方でプレイして、俺とギルドを組んでほしいと頼んだら、みんなそのことを承諾してくれた。

 まぁ承諾してくれそうな人物しか頼んでいないが……





 そうやって今に至るという訳だ。その仲間たちとともに6層まで到達している。

 原作では、最終的に6層まで辿り着いたと書いてあったから。後一か月を残して6層なのでこれは、早いと言えるだろう。

 そして俺は、まだこれまで死んでいない。これは、この世界において俺だけであった。それにLVも層を攻略している組の平均よりも8LVほど高い。

 だから周りからの評価が高い。だからなのだろうか、この間俺に二つ名がついていることが判明した。『風神』というものだった。

 なんでも由来は、風のように早い剣捌きで、その戦う姿に誰も敵わないと思ってしまう。それに髪が緑(エメラルドグリーン)だからだそうだ。

 最初の二つは、まだわかる。だが、髪が緑(エメラルドグリーン)ならなんで『風神』になるのか……まったく意味が分からなかった。




 俺は、人を救うためにやっているつもりだったのだが、それと同時にいつのまにか自分もSAOを楽しんでいた。きっとこのゲームは、デスゲームにさえならなかったなら、どんなにいいゲームになっていただろうかと最近思うようになった。

 原作開始まであともう少し……

 デスゲームにさせわしないよ……兄さん



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