小説『俺の人生は《歌声》だった。』
作者:Maifa(アクアマリン)

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===夏川総合病院===


病院の中に入ると、冷たい空気が体を包み、一気に暑さから解放された。
今日は日曜日だが人は少ない。

俺は手汗でびっしょりとした両手を洗うため、便所へと向かった。







明翔「はぁ・・・・なんで今年はこんな暑いんだよ・・・。」


小さく文句を言いながら手を洗う。
冷たい水がとても気持ちいい。



明翔「・・・・っ!」


自然と息を吸った途端、ムセた。
何も喉に詰まったわけではないのに、喉に何かが張り付いたように感じる。


明翔「ッゴホッ!・・・ケホッケホッ・・・はぁ・・・。」


口を手で覆い壁に手をつく。
目の前の鏡にさっきよりも汗をかいている自分が写る。


ムセただけで・・・人ってこんなに汗かくっけ?


息が整ったのを確認し、俺は軽くなったと思っていたはずの体が多少重くなったのを感じながら便所を出た。

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