小説『とりあえず転生したらキルア君の妹になったイラストレーターのお話。』
作者:みちる。()

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『ラッキースケベはないといったよな?な?』













「ふんふふん♪」
久しぶりの水浴びで機嫌がいいあたしは鼻歌を歌っていた。
いやァなんかね、年取るとお風呂入るのがおっくうになってくるのよね。ははははは。
「ん、なにこれ」
あ、なんか見つけたわ。
えっと、ちょうどペットボトルのキャップくらいの大きさの。あ、なんか綺麗。

・・・。何これ?蟻?・・・・蟻、アリ、あり・・・・










ありぃ?!!!



「うわっ何これキモッキモッ!あ、なんか卵つけてるううううううううううううう!!!!」
じたばたと叫んでいると、近くからざばーんと水音がした。


「うわ、誰だよ」

「は?誰かいんのか・・・てえ?!」

「ぎゃっすハゲ!」

言葉もなくたちすくすあたし達。
え、ちょっと待ってこ奴も水浴びにしに来たの?は?あたしラッキースケベな言って言ったよね?え?
言っとくがこれでもあたし女だぞ。それも男になんぞほとんど耐性のない。
ここが2次元の世界なら、キャー変態ーばっこーんって感じなのかもしんないけど!此処3次元!
ん?でもここアニメの世界だから2次元なのか?じゃあハゲのこと殴っていいのかな。
そこまで考えた(現実逃避ともいう)ときにいきなりに痛みが襲ってきた。

「い゛ッ」
う゛何この腕の先から痺れるような痛みは・・・。
「おっおい、かまれてるぞ指!」
ハゲに言われ、恐る恐る指先を見ていると、さっきの蟻があたしを噛んでいた。


「ぎゃあああああああああああああああああああああああすっ」


ぶんぶんとありを振り落とす。
そのすきに水しぶきを派手に立てた上に、なんのためか備わってしまった早着替えの技を駆使して服を着る。



「ぜっはー」
「大丈夫か?」
「う、うん」
未だに痛い指先を見るとあの忌々しきありに食いちぎられ・・・
「食いちぎられてるううううう!!!!!」
「は」





ちょうどそのとき、やっと長い4次試験がな終わる合図が響いた。







***








あの後あたしは飛行船に無事乗ることができ、今は試験官のメンチちゃん(やっぱちゃん付けにした。年上だし)の元へダッシュした。でもなぜかサトツさんもいた。
なんであの二人一緒にいるの?そこはブハラだろ。




「すいませんちょっといいですか」
「何よ改まって」
不思議そうに尋ねてくるメンチちゃんの前に無言で親指を差し出すと、「きゃああああああああああ!!!」と、とても女の子らしい悲鳴を上げられた。あたしの悲鳴なんてぎゃっすだよ。何それ色気零ェ。

ちなみに、サトツさんも息をのんで一歩下がってた。おい、あんた。
まァ親指は見るも無残な形になっているので当然ちゃぁ当然だけど。あ、親指が無くなったわけじゃないからね?二分の一・・・・いや、三分の一程度が無くなっただけで。

「い、痛くないの?」
「いや、家でやった拷問の方が痛かったです」
キリっとした顔で言うと、そうゆうこっちゃないわよって言われた。
そしてその間にも傷口から流れ出る血は止められない。
床には小さな水たまりができている。きゃーこわーい。




「ご、ごほん。とりあえず医務室に行きましょう」






***





「ほほう。こりゃまた派手にやられたのう」


なんでこいつがいる。
目の前にはタヌキ爺ことハンター協会会長。後ろにはメンチちゃん。じと目で睨むとごめんとかわいらしいしぐさで謝られ、あっさり許しかけた。まァメンチちゃんだし。巨乳はギリイ対象だけど可愛いし。



「で、聞くけど誰にやられたの」
「あり」
「ふーん。あり、ありぃ?!」
「うん。なんか拾って放置してたらこのざま。くそう。根絶やししてくれる」

「・・・」

「とりあえず、治癒力強化するわね」
「強化?」
「なんでもいいからほれ早く」
「ほーい」
なんかメンチちゃんがマチ姉とだぶったのは秘密だ。
此処で追記しておくと、ハンター試験中にマチ姉と仲良くなって最近ではマチ姉と呼ぶ仲になった。
たぶんこの傷見せたらフルボッコされる自信がある。




しばらくすると、傷口が止まった。
「おお!」
「はい、新しい指は時期に生えてくるでしょ」
「ムリだろ」
「できんじゃね?」
「おいこらタヌキ爺」


数分火花を散らせているとサトツさんが、(あ、そう言えばいなかったな。何やってたんだ?)義足ならぬ義指をもってきてくれた。ああ、だからいなかったんだ。
そこに、メンチちゃんが器用に縫いつけて終了。
キューピー三分クッキング―と言ったら無言で挙が2つ同時に飛んできた。



「あ、それ放置しとけばなくなるから」
「ああ、ネン糸的な」
「?」




メンチちゃんが不思議そうな顔してたけどあたしが旅団とつながっていることがばれるのも面倒なので日本人特有の曖昧な笑みでかわしてぺこりと頭を下げてあたしはmyオアシスことキル兄ぃの元へダッシュした。















後ろでタヌキ爺が珍しく険しい顔をしていたのがちらりと見えた気がしたけど気にしないことにした。
なんかろくなことなさそうだし。








(大変なことになりそうじゃの。少しここら辺を探させて駆除でもするかのめんどくさいがパリストン辺りが何とかやってくれるじゃろ。ジンを呼び出してもいいのぅ)




ネテロさん、独り言のくせに長いです。








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