68話「魚人島の乱〜シャボンディIN麦わらプラス傾世一味(前編)〜」
〜『黒足の』サンジside〜
レディ!女!雌!牝!ウーマン!ガール!female!
ああああああああっっっっっ〜〜〜〜♪♪♪♪♪♪
ここは天国かぁ〜!!??レディが一人…レディが二人……数えきれないほどいるぅ!!!
2年もの間求めてやまなかったモノが………今目の前にぃ!!!
レディ達もおれを見て歓声をあげてくれている!…今!あなたの騎士が迎えに行きますよぉ!!
………辛かった……地獄という言葉すら生温い悪魔達が住まうゴミ溜め…カマバッカ王国…
何度諦めかけた事か…何度脱出を試みてレディに会いに行こうとしたか…
それを「サンジキュ〜ン!いい加減返事して〜ん!」……何度もこのバケモン共と…バケモンのボス『イワンコフ』に邪魔されたか…
無限に思える程の長い間受けた責め苦……今度会ったらぶっ蹴り倒してやる!………きっと、多分…
「あたす!やっぱりサンジーキュンの事忘れられないぃん!」
…とっとと逃げよう…ボヤボヤしてたらエリザベスの野郎に…うぅ……
「待っててくれよぉ〜!ナミすわ〜ん!ロビンちゅわ〜ん!あなた達の騎士サンジ!ただ今地獄より生還しましたぁ〜!!」
は、早く…ナミさん分とロビンちゃん分を摂取しなければ…
「ホロホロホロ〜」
!!??どこかで聞いた声……?いない?…幻聴か!?…いや、今まで会った全ての美女達約1万人の声はもれなく記憶している!あの声は確か……
〜『海賊狩り』ロロノア・ゾロside〜
いや〜参ったな…ちゃんとシャボンディ行きの船に乗ったってのにセントなんとかって所に着いちまうとは…
途中で海賊共をシメて無理矢理シャボンディに行かせたからなんとか間に合ったが…
さぁーて…アイツらに会うとするか〜アイツらも迷子になってなけりゃいいが………ん?アイツは…
「ホロホロホロ〜さっそく迷子になってる様だな〜海賊狩り〜」
「テメェは確か…ゲッコーモリアんトコのゴースト女…なんでここにいやがる?」
「ある方の命令でな〜世界一の方向オンチのお前を仲間の元に連れてく様に言われたのさ〜」
「……アマクサ・シオリか?」
あん時の新聞によるとめちゃくちゃ暴れた様だが…ヤツの部下になるとはな…
「ギクッ…す、鋭いな…マリモ頭のくせに。」
「うるせぇな!たたっ斬るぞ!」
「ホロホロホロ〜面白い!やれるものならやってみな!ネガティブホロウ!!」
「!?くっ!は、速ぇ!?…ぐぁ!!」
ゴーストがおれを貫きやがった。
「ぐ…」
「お!耐えきったか!武装色の覇気はけっこう使えるみたいだな〜」
!?ハア!?…
「…その言い方だと…テメェも使えるって聞こえるが…」
「当たり前だ。誰がボスだと思ってんだ。全員……あ、カバは使えなかったかな?…確か…」
カバ……ワポルか。あの野郎もとんでもねぇ額になってやがったな…
「とにかくそこに直りやがれ!」
斬りかかるが…
「ホロホロホロ〜」
速い…って…CP9の剃使ってねぇか?アイツ…クッ…ヤツの部下…どいつもこいつも手強くなってんじゃ…
「うらああああぁぁぁ!クソマリモォォォ!麗しきレディに何さらしとんじゃあ!」
………再会の一人目がコイツとは…ヤレヤレ…
「何の用だ?クソコック…つーか…何だその眉毛は…右目のより変すぎるだろ。」
「やかましい!テメェこそ無様に左目怪我してんじゃねぇか!そんなんで剣士が勤まんのか!」
「…今は言えねぇな…時機が来たら説明してやる。」
「なんだかんだで仲良いな〜お前達〜」
ああ!?どこをどう見りゃ…
「ペローナさん!誤解しないでください!こんな植物もどき頭なんてどうでも良いんですよ!おれにとっての至高の使命はレディ達の幸せなんですから!」
「鼻血出てるぞ。ダセェな。」
「ああ!?」
全く…相変わらず進歩のねぇヤツだ…さて早くみんなに会わねぇとな…
〜『泥棒猫』ナミside〜
ウソップとチョッパー…けっこうたくましくなってるじゃない。…ウソップはビビリっぽいのは変わらないみたいだけど。
…それにチョッパー…ちょっと縮んでないかしら!?…まあでも強くはなったみたいね。
訳の分からない植物を使いこなしてるし…二人共充実した2年だった様ね。
他のみんなはどうなのかしら………ってアイツは!?ウソップも硬直してる!
「お前…!なんでここにいるんだ!?クラハドール!…いや、クロ!!」
「…………」
確か、ウソップの村にいたクロだっけ…?2年前に比べて後ろ髪が伸びて束ねてるわね。…それになんか…威圧感が…
…ってあの女って…バロックワークスのトゲトゲ女!?
「無事シャボンディに到着出来た様だな。全く…ハラハラさせる…」
?どういう事よ?
「あっ!コイツらオークション会場にいたヤツらだ!」
そういえばチョッパーはオークションで初めて会ったんだっけ。なんとかクリークの部下って人にはその前に会ったらしいけど。
「…何の用?私達急いでるんだけど。」
「これから新世界に行くんですってね?…やっていけるかどうか…テストしてあげるわ……っと、ここでやり合うのもアレだし…場所変えましょうか。」
そんなわけで私達5人はサニー号が停めてあるらしい17番グローブまで歩き…船着き場近くの森まで来た。
「フェーッフェッフェッフェッ!おうおう久々じゃねぇか!麦わらの一味よう!」
「なっ…なにこの割れ頭!どういう神経してるの!?」
あまりにも不細工すぎる中年を見た瞬間叫んじゃったわ。
「うぐ…た、耐えるんだ!この程度で…」
「うわ〜!割れが三つに増えてる!気持ちわるっ!」
チョッパーも流石に突っ込むわね。
「……………」
あ、落ち込んでる…気にしてるんなら髪型変えたらいいのに。
「ちょうど3対3か…フォク…割れ頭はペットの相手をしてやれ。」
「言い直したよね!?今!これイジメ!?」
耳障りな甲高い声で眼鏡…えっと、クロに突っ込むフォクなんとか。
「戦うのはアラバスタ以来ね…お嬢ちゃん。今度は負けないわよ。」
「それはこっちのセリフよ!」
『魔法の天候棒(ソーサリー・クリマ・タクト)』を取り出す。
「私の相手はお前にするか。」
「へっ!2年前のおれと思ったら痛い目見るぜ!」
「……それはこちらも同じ事。」
以前は『猫の手』とかいうカギ爪装着してたのに今は別のを装着してるわね。右手には黒光りする爪、左手には白色の爪だわ。
フォクなんとかも以前の中年みたいな体型だったのに今は引き締まってるし、ただ者じゃない雰囲気出てる…
「あら?何ボケッと突っ立ってるのかしら?考え事?そんなんじゃ戦場じゃすぐに死ぬわよ?」
…ミス・ダブルフィンガー…コイツも威圧感が半端じゃない…?そういえば…
「シオリが言ってた2年ってこの事?ルフィと打ち合わせでもしてたって言うの?」
「呼び捨てにするな……殺すぞ?」
ゾワッッ!?うっ?な、なに?さっきとはまるで…
「こらこらクロ、シオリちゃんから本気出すなって言われてるでしょ?」
「当然だ…本気など出す必要など皆無だ。第一奥方様の命令は絶対。」
奥方?…え?…誰が?
「ちょ、ちょっと!奥方ってどういう…」
「貴様には関係ない事だ…さて、長鼻。簡単に負けてくれるなよ?」
「当然だ!おれは2年間死ぬ様な目にあってきたんだ!
それに比べりゃどうって事ねぇ!」
「二組とも盛り上がってんなぁ〜じゃあおれらも始めるかぁ?タヌキ。」
「タヌキじゃねー!!」
チョッパーも戦闘モードに入ったわね…
「じゃ、いい加減私達もやる?先に言っとくけど…そんじょそこらの電撃は効かないわよ?うちにはえげつない雷様がいて何十回もキッツイの食らってるから。」
!!そういえば…あのエネルがいるんだったわ…全く…
「ハア…ハア…ハア…」
デタラメね…トゲトゲな上にCP9の技まで使うなんて…それにあの威圧感…パシフィスタとかいうのを連れてたヤツみたいだわ…
「確かにそこそこしぶとくなってるわね…けど、戦闘能力は大した事ないわ。やれるとしてもザコ専ね………シオリちゃんの伝言伝えようか?」
!?アイツの!?
「『ナミちゃんの航海術は世界屈指。それだけで世界中の海賊…いや、全ての船乗りからすれば喉から手が出るほどの人材…命の危険がある戦場には出るな』よ。」
………!!
「ハッキリ言ってその程度じゃ新世界に行っても長くは持たないわ。
そもそも船の生命線であるコック、船医、船大工、そして航海士が前線に出る事自体有り得ないのよ。」
…そんな事は…言われなくても分かってる…
けど…自分だけ安全な所にいて…のうのうと暮らせる訳ないじゃない!
「私だって命張らなきゃ…アイツらと対等でいられないのよ!」
バカな事言ってるとは思うけど…
「フフ…アンタ達に目をかけてる理由、分かった気がするわ。すごいわね。アナタ達…
…ん?クロやフォク…割れ頭も終わったようね。」
「お前の操る植物達…確かに非常に便利なモノだ…が予備動作に無駄が多すぎる。そんなのでは私にはカスリもしない。
…奥方様はお前の射撃の腕を非常に買っておられた。
潜在能力が開花すれば『狙撃の帝王』や『音越』に匹敵するとおっしゃられていたぞ。」
「そっ狙撃の帝王!?ま、まさかそれって…親…」
「植物を操る事に熱中しすぎて狙撃能力が鈍っている。精進するんだな。」
一方のチョッパーは肩で息をしている…
「くっそ〜ちょこまかして〜」
あの割れ頭…見掛けによらず…強かった…昔のサンジ君ぐらい強いんじゃ…
しかも訳分かんないビームでチョッパーの動きを止めてたし…
「さて…そろそろ帰るか…それではな。」
姿を消す三人…
どいつもこいつもとんでもないわ…これが新世界の住人のレベル?
…今まで以上に気を引き締めていかないとね…私達…