82話「魚人島の乱〜しらほしの力〜」
〜ギョンコルド広場上空の海域〜
〜ホーディside〜
チッ…デッケンの野郎め!トチ狂いやがって…だがノア…これは使えるなぁ…このデカブツを魚人島に落とせば…クズ共みんなまとめて処分できる!
人間…麦わらの一味共…それに魚人のプライドを捨てやがったアーロンやジンベエも全員ぶち殺してくれる!
そのためには…しらほしが島の真上辺りに来た時に…ヤツを…デッケンを始末する!そうすりゃあ…ジャハハハハ!
さぁ〜て…まずはしらほしをとっ捕まえるか…けっこうタフになった様だがスピードで今のおれに叶う者などいないんだからなぁ………ん?誰かと思えば麦わらか…下等種族が海に入るなんざ笑わせてくれるぜ!
「ジャハハハハ!麦わらぁ!陸の上じゃてこずったがこの海では立場は逆転する!」
「!へーそーなのかー?」
ちぃっ…鼻なんぞほじりやがって…なめてんのか!?すぐに後悔させてやるぞ!
「死ねぇっ!」
挨拶かわりに撃ち水を10発ほどぶっ放す。陸の時と違って早く動けまい!
「だから無駄だって。」
!?ぜ、全弾かわしただと!?しかもほとんど動かずに…陸ん時といい何をやりやがった…
「確かに動きにくいけど…お前程度ならこれで十分だ。」
!!?ガキがぁ!!
フン!そんなもの…超速の噛み付きでバラバラにして…
「武装色!銃弾(ブレッド)!!」
ドゴォォ!!
!?グ…ヘェ…!?ハ、ハラが…なんて一撃…ありえねぇ…人間…しかも能力者が海中でこうも速いとは…ぐぅ…シャボンさえ破壊できれば…一瞬でカタがつくってのに…
「も〜い〜か〜!?」
!?ちぃっ考えが纏まらんうちに…コイツを振り切った後デッケンの能力を解除させる…それだけの事がなんて難関…
「んじゃとりあえずぶっ飛ばすぞ〜お前!」
ゾワッッ…こ、この殺気は…
「ギア2武装!…くらえ!エース直伝のぉぉぉ…」
!?ヤツの腕が後方に伸び…黒く変色した…しかも海中で燃えてるだと!?
「火拳銃(レッドホーク)!!!」
!?ガハァッッ!?見、見えな…ギィアアア…!?ハ、ハラがや、焼けるぅ〜〜死…死んじまう…
「あれ?ひょっとしておれの出る幕なしじゃね!?」
どこからかアーロンの声が…いかん…1対2は…エ、ESを…
バリボリッ
…こうなりゃあ…全部食ってやる!この身がどうなろうと…かまうものか!魚人島をぶっ潰せるんなら!
「ありゃ〜アーロン〜お前も来たのかよ〜」
ぬっ!?幻聴ではなかったか…おのれ…
「へっ…カシラの指令でな。けど…思った以上だな。海中でもホーディを倒すとは……む!?」
「アーロンンン〜…貴様ァァ…どこまでおれ達を幻滅させるぅぅ〜!」
人間に寝返った軟弱者め…!
「それに関しちゃ何の弁明もできねぇよ。許してもらうつもりもねぇ。ただ敵であるお前を倒す…そんだけだ。」
「しらほしは一人にして大丈夫なんか?」
「デッケンの強さと能力はだいたい分かった。…あの程度じゃしらほしの敵じゃねぇよ。カシラに地獄の様な特訓やらされたからな。その強さは…ウチのモンに匹敵するぜ。それに…カシラ以外で『海』でしらほしに勝てるヤツはこの世に存在しねぇ。」
「うへ〜そうなのか〜」
しらほしを鍛えたのは…傾世…アマクサ・シオリ…おのれぇ…ヤツさえ姿を見せれば一番に始末してやるというのに……ぐっ!?いかん…思考ができ…
「グオオオオオ………グウエエエエエッッ!!!」
「うわっいきなりなん…ってとんでもない量吐いてるぞ!?それになんか体がグニョグニョしてきた!?」
「!ま、まさかありゃ……カシラが言ってた…『マックシング』!?」
「なにそのマックなんとかって。」
「ドーピングの限界突破現象だ…あれ見ろよ。」
「おお!筋肉が萎んで…いや、違うな〜凝縮してる…すげぇ威圧感だ…」
「ガアアアアッッ!」
「!速ぇ!…やべぇな…これじゃ満足に動けねぇ…」
「やっと出番か。肝冷やしたぜ。」
「?何言ってんだ?」
「いや、こっちの話……おれの背中に乗れ!脚代わりになってやる。」
「おお!サンキュー〜」
「ききき貴様らぁ〜どこまでも舐めた真似を…目障りな馴れ合いなぞしおってぇ〜!」
「うらやましいのか?お前。」
「ほざけぇぇっっ〜!」
もう考えるのはヤメだ!目に映る全ての者を八つ裂きにしてやる!
「キリサメ!!」
愛刀を抜き、そして超スピードでヤツらに狙いを定める。
「死ねぇっ!!」
「うわっと!…速ぇなぁ…先輩はうれしいぞ〜」
「それ以上しゃべるなぁっっ!!面汚しがぁっっ!!!」
クソッ…アーロンめ…やはり強い…10年前とはまるで別人…だが引けん!
「魚人空手!海太鼓!!」
「!振動波か…が、カシラの『無空波』に比べりゃ…弱すぎる!魚人ケンカ殺法!プラス武装色!…螺旋掌打!!」
!?ヤツの拳が…回転…これは確かコークスクリューとか言う拳闘技術……!掌打が振動波を掻き消しただと!?……ぐおっ!?威力が死なずにおれにまで…
「おいおいもうちょっとしっかりしてくれよ後輩。」
ぐ…おのれ…
「調子に乗るなぁっっ!!」
「!武装色!ゴムゴムの…JETバズーカ!!!」
!?ヤツの両拳が目の前…ドゴオオオオッッ
グオオオオッッ!!?
「ありゃ…吹っ飛ばしすぎちまった。」
「(あの位置は……運良くカシラの指示通りの展開になってるな〜)」
〜デッケンside〜
「しらほしぃぃ〜大人しくするんだぁ〜!!」
「デッケン様…今すぐノアをお止めください。お願いです。」
「ふざけるなしらほしぃ!お前は魚人島と共に滅びるのだぁ〜!そして!このおれも後を追ってやるぞぉぉ〜!」
「…そうですか…やはりお止めになってくれないのですか…仕方ありませんね…ここはお姉様の教え通り…デッケン様。あなたの体に直接言うことを聞かせます。ですから…今から泣いて謝っても…許しませんからね!」
しらほし…なぜだ…なぜおれに愛を向けてくれんのだぁ!?
「許さないだとぉ!?お前が何をしようと言うのだぁ!」
「あなたを…こらしめます!」
「ほざけぇー!」
生意気なヤツめ…まずは黙らせんとなぁ〜…しかし…ナイフは通じん…何を使「えい!しがん!ばち!!」
!?なんだぁ!?指から何かが飛び出してきやがったぁ!?…ってヤベェ!
ドゴオオンッッ!
間一髪外れた何かは巨岩をも容易く粉砕しおった…おのれ…なんだと言うのだこの強さは…一体誰が…
「デッケン様お覚悟!」
ええい!血相変えて襲ってきおって…
何か…策は……!あの船は…人間のか!?バホホホホホッッあれでも十分殺せるだろう!覚悟しろよ!
おれは気配を殺し人間の船の真下に接近。そして…タッチ!能力発動だぁ!
「!?ジャイロ船長!舵が急に利かなく…」
「なっなんだとぉ〜〜!?」
バホホホホホッ!ノアには全く及ばんがこのサイズの船ならっ……
「!?船…!?これもデッケン様の…」
「もう遅いぃ!死ねぇぇぇっ!!」
「…………」
?なんだぁ?急に目を閉じやがって…お祈りの時間かぁ?
「お願いします!ヨルムンガンド様っ!!」
『心得た…我らの王…しらほし姫よ。』
!?なっなっなっあっあれは…海王類だとぉーっ!!?
白と黒のストライプの…ありゃあウツボかぁ?体長は500メートルはありやがる…あっ!?
「うわああああ〜」
人間の船がウツボもどきに食われやがった!?
『後で出してやる…人間達よ……さぁ皆…我らの神と王の指令が来た…』
『ノアを魚人島に落とそうとするなんて…悪い子だねぇ…神の逆鱗に触れちゃうよ…』
〜〜〜〜〜〜っっ!!??ここここれは幻覚かぁっ!!?海王類がどんどん現れやがるぅ…
「そう驚くなよデッケン。」
ん?女の声?…黒のタンクトップにスパッツとははしたない格好だな!い、いやそれよりコイツ誰なんだぁ!?なぜ海中で人間が平然と出来るぅ!?
「私か?…名前ぐらいは知ってるだろう?…傾世のシオリ…別名『海神リヴァイアサン』だよ。」
この女がぁ!?あ、あのぉっ!?んな馬鹿な…なぜこんな時にぃ…
…ん!?うわああっ!?こっちにホーディが飛んできたぁ!?
「ぐ……ここは………!?き、貴様はっ…アマクサ・シオリ…っ!」
「やあドーピング馬鹿。」
「!!減らず口をっ…貴様を始末すれば全て上手くいくはず…死んでもらうぞ………チラ」
!?なんだぁ?ホーディ
グサァッ…!
!?ん………なんだ?なんか腹が…………あれ?血が……あれ?……