「何くおーかな?」
メニューを見ながら言っていると、後ろから、
「お前は一体何者何だニャー?」
荒神は後ろを向くと、厳い金髪グラサンが居た。
眼つきが一瞬変わったが、笑を浮かべ、
「何のことだ?」
知らバッくれ、凌ぎきる作戦に出た荒神。
「解らないフリしても、無駄だニャー」
笑顔で言っていた少年だが、次に発した時には、
「アレイスターの知り合いだろ」
眼つきを変え、耳打ちしながら言った。
すると荒神は、右手を少年の頭に起き、
「お前がアレイスターの知り合いだってなら、答えてもいいだろう」
荒神は演算を始め、少年の脳に自分の事を教えた。
「LEVEL6!?」
少年は驚き言った。
「お前の名前は・・・・・・土御門元春か」
その名前は間違いなかった。
そしてその言葉に対して土御門は、
「LEVEL6ってのも、ダテじゃないな」
荒神はまだ手を離していなかった。
「魔術師なのか〜。ステイルと同じ所属の・・・・・・」
今頃まだ探られている事に気づき、荒神の右手を避けた土御門。
「あ、そーだ。魔術師に関わる事件が起きたら、俺も手伝うから最大主教(アークビショップ)のローラ=スチュアートに伝えといてくれ」
「何故その名を!?・・・・・・俺の脳の中を見たときかニャー?」
その言葉に首を傾げ、
「もっと前からだ。アレイスターだよ」
一歩足を踏み出すと同時に、
「俺は今から女子中学生に会いに行かないとだから、早退届出していてくれよ。土御門くん」
態とらしく言うと、ドアからでわなく、壁から荒神は出て行った。
「LEVEL6・・・・・・一方通行の先を行く者、か」
荒神が出て行った後、土御門は一言吐いた。
そして夜になり、荒神は御坂をある橋に呼び出した。
橋には来たものの、まだ気まずい感じを出している御坂。
来たのに気づいた荒神は、ゆっくり御坂に近づき、
「炎月の件はもう忘れろ」
「・・・・・・、」
やはり何も答えない御坂に、荒神は右手を頭に添えた。
御坂は何をするのか分かると、右手を払い、
「アンタの痛みが残ったまま、私が楽になんかなれない」
一言答えると、御坂は橋を立ち去る。
進み具合は遅かった。
御坂の言葉に荒神は、
「ありがとうな」
ボソッ、と。
御坂には聞こえてはいないが、感謝の気持ちを御坂に伝えた。
その後、ゆっくりだが、荒神は家に帰った。
帰ると永奈が居た。
荒神が見てみると、印象が変わっていた。
「私も、能力者になっちゃった」
「お前も、LEVEL6なのか?」
荒神が聞くと、いつの間にか永奈は目の前に居た。
だが、永奈が動いたのではなく、荒神自身が動いていたのだ。
「私の能力は物質移動(クリア・ムリニエル)私の指定した物または、人を移動させることが出来る。一般公開はされてるけど」
荒神は永奈が言っていた事を耳に入れず、自分の部屋に言った。
永奈の能力で、戻すことは出来るが、そうはしなかった。
そして荒神は夜食を取らずに寝た。