小説『とある零位の全を操る者(エネミー・デイズ)』
作者:()

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「ステイル、こんな所でタバコ吸ってて良いのか?」

「休憩中だ」

目を瞑りまたタバコを取り出した。

「この人は荒神ちゃんの知り合いですか?それなら止めてください」

荒神は黙って右手をステイルの頭に被せ、脳の中を探った。

「話が有るからちょっと立ってくれ」

小萌先生は荒神をステイルの背に届かないのを利用し、ステイルの耳元で、

「(今現在、学園都市で確認されている魔術師は二人だな?)」

「(ああ、一人はオリアナ=トムソン、そしてリドヴィア=ロレンツェッティの二名)」

手に持っている火の付いていないタバコを口で喰わえながらステイルは答えた。

「(オリアナの顔は知っている)」

その言葉に驚くステイル。

すると草影から突然上条が出てきた。

その手には携帯を持っていた。

上条は首を縦に振り、ステイルは上条と共に走り出した。

上条の隣には姫神が居た。

姫神に上条は、

「小萌先生を止めてくれ!!」

言ったが、荒神が先に止めに入っていた。

「はいは〜い、此処から先は立ち入り禁止ですよ〜」

ふざけた言葉使いで小萌先生を止めていた。

すると姫神が暴れている小萌先生を抱きかかえた。

「姫神ちゃん!!離してください!!」

離す訳がなかった。

荒神は一旦その場を姫神に任せ、アレイスターに会いに行った。







窓のないビル

「リドヴィア=ロレンツェッティの居場所は分かるか?」

「知っているなら、土御門の方に教える」

アレイスターの所に来たのは無駄脚だった様だが、

「・・・・・・だが、推測される場所なら分かる」

「!?」

するとモニタリングされた地図に印が有った。

そこは、とある博物館だった。

「ついでだが、」

さらにモニターに写真が出てきた。

恐らく、そこに映った女の写真がリドヴィア=ロレンツェッティだろう。

「感謝する」

そして荒神は家に帰り、エクスカリバーを取り、その博物館に向かった。


バタン!!とドアが開く音がした。

「眠れ」

ボソッと呟くと、一人の女を残し、気絶した。

「貴方は?」

ドアを開けた少年は答えなかった。

その少年には悩みが有った。

自分の身の悩みだ。

怠い。

自分のポリシーを守のが面倒になったり、食事を取るのが面倒だったり、自分の興味が湧いた事にしか、真剣に取り組まないのだ。

数秒して少年は名乗った。

「荒神水月。覚えておけお前の覚える最後の名前になる可能性が有るからな!!」

リドヴィアは立ち上がり、目つきが変わった。

「うふふふ!!寿命が尽きる日が来たと思うとゾッ!!とするわ!!」

「抜かせ」

荒神はリドヴィアの背後に回り込み、エクスカリバーを首を斬る様に、横に振った。

「クッ!?」

だが、その攻撃を避けた。

「俺は、女を殺さないって決めてたが、この頃心がズタボロでよー。耐え切れないんだわ!!」

荒神は言葉を出したと同時に手刀をした。

リドヴィアは気絶した。

最初からそうしておけば良かったが、衝動が抑えられなくなった。

「阿呆が、自分をコントロールできずにいてどうする?」

そう言うと、リドヴィアを抱え、アレイスターに渡した。

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