小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#101 レプリカと秘予言




























そして、一向は譜石を……予言を見る為に……奥へと進む。


そして、その場所に着き……。


「秘預言を見ればセフィロトの場所がわかるかもしれません。」

イオンが譜石の前に立った……。

「……僕も今まで確認したことが無かったんですが。」

そう呟く。

「……導師であるイオンが……?」

少し疑問に思っていた。

このダアトのローレライ教団のトップであるイオンなのに、予言を見てないなんて……と。

そんな事を考えていたが……

直ぐに考えるのをやめる。

何故なら、予言を詠み始めたからだ。



『ND2000
ローレライの力を継ぐ者……。
キムラスカに誕生す。
其は王族に連なる赤い髪の男児なり……。
名を聖なる焔の光と称す。
彼はキムラスカ・ランバルディアを、新たなる繁栄に導くだろう。』



イオンが……光に包まれながらそう詠んでいく……。


(解放……聖なる焔の……)


アルは…頭に流れた声の事を……この時思い出していた。

もう随分昔の話の様な気がする……。



(……やっぱり、あれはルーク……のこと?なら……解放……は?)


真相に近づくかと思ったが……まだ、ピースが足りないようだった。

そして、イオンは続ける。




『ND2002
栄光を掴む者……。
自らの生まれた島を滅ぼす。
名をホドと称す。
この後季節が一巡りするまでキムラスカとマルクトの間に戦乱が続くであろう……。


ND2018.
ローレライの力を継ぐ若者、
人々を引き連れ鉱山の街へ向かう。
そこで若者は力を災いとし、キムラスカの武器となって、街と共に消滅す。
しかる後にルグニカの大地は戦乱に包まれ……マルクトは領土を失うだろう。結果キムラスカ・ランバルディアは栄えそれが未曾有の繁栄の第一歩となる……。』



……不思議な言葉だった。

ただ……読んでるのではなく【詠む。】

不思議な力も感じていた……。

そして、詠み終え……光が消えたと同時にイオンは崩れ落ちる……。


「イオン様っ!!」


アニスが咄嗟に抱きかかえた。


「だっ!大丈夫??イオンッ!!」

アルも慌てて駆け寄る。

「ええ……大丈夫です……。」

大丈夫には見えないのだが…。

イオンは笑ってそう言っていた。

可能な限り……アルは疲れを癒すために力を使う……。


「大丈夫ですよ……アル。ありがとう。」

イオンはアルの手を掴む。

「……イオンは身体が強くないんだったよね?これぐらいはさせてって。」

アルはウインクをしながらイオンを見た。

「ですが……パメラの時もあります。アルも……疲れてしまうでしょう?」

イオンが逆にアルを心配するみたいだ……。

「大丈夫。だって……ナタリアだっているし…それに……。」

アルはティアの方を見て。

「ティアだって……助けてくれるから。だから…頑張れる!」

そう言って笑った。

「っ……////」


その突然の笑顔と言葉に顔が赤くなる…。

「もう!それでもっ!アルは無茶しすぎなの!私にも任せて!」

ティアはごまかしながら……アルとイオンの方へと向かった。


「ふふふ……」

そんな2人をみて、自然と笑顔になるのは皆同じだろう。







「……でも、やっぱりルークの事…だよね?そのローレライの力を継ぐ若者って…。」

アルは話を戻した。

「ええ……聖なる焔の光は古代イスパニア語で【ルーク】ですから。」

ナタリアは頷いた。

「でも……おかしくない?鉱山の街と共に消滅するって……ルークも…それにアッシュだってなんともなってないよ?」

アルも……この予言の矛盾に……悩ます。

「そうだよね……。アッシュじゃなくてルークがいったんだし……。この予言……何だか変……。」

アニスが……そう言っていた時。

「レプリカです!この予言にはルークが……レプリカと言う存在が抜けているのです!」

ナタリアが1つの事実に気が付いた。

「それって……オレが……レプリカが生まれたから、予言が狂っちまったって事…なのか?」

ルークが……そう聞く。

だれも……その問いに答えられるものなど……いなかった。

「ルーク。ひとまず、セフィロトの位置を確認する事が先決だよ!わからないことで悩むのは後にしよう。」

アルがそういった。

するとイオンが……。

「セフィロトの1つは……タタル渓谷にあるようです…………。」

予言の中にセフィロトに関する文があったようだ。

それを説明しているイオンは凄く苦しそうで……。

「またっ!イオンは無茶をしてっ!」

見ていられなくなったアルが駆け寄って治療をしようとしたが……。




「もうっ!無茶するのはあなたでしょッ!」





“ガシッ!”




ティアに首根っこをつかまれる!

「ぐえぇっ!!」

ちょうど首が絞まるように……。

「まったく……直ぐに目を離すとこうなんだからっ!私は、おちおち余所見も出来ないのっ?」

そう言われた……。

と言うか怒られた……。

そしてティアはイオンの方へ……。

「あっ……うぅ……その……ごめんなさい………。」

そして、アルは、項垂れるように……頭を下げていた。 苦笑












「ははは……。アルのヤツ、ティアにしっかり尻にしかれてるな。」

ガイはアルを見ながら笑う。

「だな……。」

ルークも同様だった。

今は……わからない事だらけで……レプリカの事で不安もあるというのに、

………なんでだろう?

殺伐とした空気が一気に和んだ。

それを和ませたのがあの2人……か。

今は大変な状況のに……

でも、こう言うのも、とても必要な感じがするんだ。



「はっはっは〜〜。次はどんな夫婦漫才でも見せてくれるのですかね?」

ジェイドは笑いながら二人にそう言う。


「っ……!!め…めおっ///!?」

「な……何を言ってるんですかっ!///大佐っ!!」


2人はあわてて…顔を赤くさせる。

それも殆ど同時に……。


「まあ……息までぴったりですわね……?うらやましい関係ですわ。」

ナタリアも……。

「うっしっし〜〜…… も〜逃げらんないよ?いい加減さ〜アルもティアも覚悟を決めたら〜??」

アニスも……。

「そうですね……。とてもお似合いだと思います。」

イオン……って さっきあんなに辛そうにしてたのに??? 


「2人ともとっても仲良しですのっ!僕も見てて嬉しいですのっ!」


ミュウも勿論喜びながら飛び回る……。


「えっ///ええっ……////!!」

ティアは……更に赤くしていて……。

「ちょっ…///み……みんなっ///まっ…!」


止めてもらうと……しきりに言おうとした(言えてるかは定かではない… 苦笑)が………。

あまりに……その……照れてしまっていたのだろう。






そして、ついには……。


「あ……あうぅ………うぅ……/////////」


“ボウンッ………”


顔を真っ赤にさせ爆発。

先に爆発?したのは……。


「きゅう〜〜〜……/////////」


アルだった……。

「わっ!ちょっ!アル??」

崩れ落ちるアルをティアは慌てて支える。

「はっはっは〜 ちょっと刺激が強すぎたみたいですね?」

ジェイドがそう言う。

「ははっ!ティアは私達が普段鍛えてるからね〜?」

アニスがそう言って笑う。

「もうっ!嬉しくなんかないわよ〜///」

ティアはアルに肩を貸しながらそう言っていた。

「普段はしっかり者のアルなんですが、違った面を見ましたね……。微笑ましいです。」

イオンもにこやかに笑い……アルの背中を摩っていた。

「あはははっ!」

アニスはただただお腹を抱えて笑っていた。










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