小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#104 ルークの決意



























そして、まあアルいじりも終えた一行は『ひどいって!』……




……ま…まあ、とりあえず。

集会場へ向かってると……。

入り口でなにやら人が……。



「あっ!」

ノエルはその姿を確認すると駆け出した。

「お兄さん!!」

「やあ、ノエル。無事に帰ってきたんだね?」

その人はノエルの兄のようだ。

「あ……!」

ノエルは後ろにいた皆のほうを見ると。

「紹介します!私の兄、ギンジです。」

「妹がお世話になってます。」

「いえ…こちらこそ。」

とりあえずお返しを。

「それからこちらが祖父の助手を務めてくれているめ組のタマラさん。」

一通りを紹介してくれた。

「あっ!はじめまして!こ…この度は!ご協力していただきましてっ!」

ルークが…メチャ固くなりながらそうお礼を…。

「ルークっ!ちょっとガチガチすぎだよ?落ち着いて……。」

アルは落ち着かせようとする。

が……やっぱり、固いままだ。

それを見たノエルは、

「ははっ、そんなに固くならなくて大丈夫ですよ!ね?タマラさん。」

「ええ。話はゐ組から聞いてるよ。よろしくね?」


「あっ!こちらこそ!」

とりあえず、ルークと一緒に挨拶を済ませる。

「どうやら、その様子だと上手くいったみたいね?」

タマラさんが表情から読み取ったのかそう言う。

「ああ!バッチリだ!」

ガイは計測器をもってそう言う。

「そういえば、お兄さん達はなんで外にでてるの?」

ノエルがそう聞くと……。

表情がちょっと……落ちて……。

「はぁ………いつものアレだ。」

それを聞くだけで察知するのはノエル。

「も〜〜!また、おじいちゃん達喧嘩したの……?」

「ははは……入ればわかるよ。」

まあ、兄に言われたとおり……入って見ると……。














「そんな風に心が狭いから!あの時単位を落としたんじゃ!!」

「五月蠅いわい!文句があるなら出て行け!!」



“ドッタンバッタンドッタンバッタン………。”



まあ……所謂………。

「ご主人様!取っ組み合いですの!?」

そのミュウの言う通り……だ。

それ以外に言葉は無い。



「は……ははは。」

「まあ……本当に見たとおりだね……?」


とりあえず……直ぐに。

「おや…?アンタ達は?」

こっちに気が付いたようだ。

その人物が……。

「そのっ…… 祖父です。」

顔を赤らめて……恥かしそうにノエルはそう言う。

「えええ!!」

ルークは驚いて……。

「はははは………。」

アルは苦笑いが止まらなかった。









「ぬっはっはっは!お恥かしいところを見られましたな!ワシがめ組のリーダー イエモンですじゃ!」

「ワシがその相棒のアストンじゃ!」

その後改めて報告と自己紹介が始まっていた。

「ふむ……やはりな。計測された地核の振動数は相当なもんだ。それにこれは……心配していた通りのことが起こってるの〜。」

ヘンケンは計測器を見てそう呟く。

「え!」

「地核の振動以外にも……何か?」

驚きながら聞く。


「セフィロトツリー全体が弱くなってるんじゃ。このままだと そう遠くないうちに外郭大地が崩落する。」



その言葉に皆が驚きを隠せない……。

「……ヴァンのせい……だよな。」

アルは静かにそう言う。

「そんな……何か手はありませんの?」



「手が無い事はない。外郭大地の降下を緩やかにすればいいんじゃ!」

また…ルークは驚くことになる。

「そっ!そんな事ができるのか!!」

そして、いきさつを聞いていたジェイドは、

「セフィロトの力が完全に消え去る前にこちらがコントロールできたのなら、可能でしょう。」

そう結論図ける。

しかし、まだ……問題は。

「でも、たとえ魔界に下ろせたとしても、あそこには瘴気があるんでしょ?」

そう……魔界に充満している瘴気が問題なのだ。

「ええ……ユリアシティの様にシールドがないと……。」

ティアの顔も険しい。

あのシールドは創生暦時代のもの。

復元・複製するなど現段階では殆ど不可能なのだ。

「あれに呑まれてしまったら……そう遠くないうちに……。」

アルは表情を落とす。

アクゼリュスでもそうだったのだ。

瘴気に呑まれて……

動けなくなって……。

命を落とした人たちだっているのだ。

それだけ危険なものなのだ。

「わかってますよ。」

ジェイドがアルの方を見るとそういい。

「全てを解決する方法があります。」

そう言う。

「ええ!本当?」

「はい。勿論です。まず、地核の振動を止め……魔界の液状化を止めます。その装置を貴方達に作っていただきたい。」

ジェイドがそう言うと。

「装置を作るのは良いが、その装置をどうやって地核へ沈める?」

その方法……それは。

「タルタロスで投降しましょう。魔界に落ちても壊れなかった丈夫な艦です。地核に沈めるにはもってこいのものだと思いますが?」

「なるほど!確かに!!」

ジェイドの説明には光明が見える。

説得力もあるのだ。

「グランコクマからここへ運び込むように軍に手配しておきましょう。そして、液状化の止まった大地に外郭を降下させる。」

「瘴気の上に……?」

ティアが心配そうに言うけど……。

「な……なるほど!外郭大地で蓋を!」

アルが喜ぶようにそういった。

大地は分厚い。

そして、瘴気が噴出していると入っても、それ程の大地で蓋をすれば止まる確立の方が遥かに高いだろう。

「さっすが!大佐頭良い〜〜!!」

「それで皆助かるんだなっ!!」

アルと同じように皆喜びの表情となる。


「理論上は……後は実際にやって見なければ。」

そう言うだけで職人達には十分だ。


「どれ……早速やってみるとするかのう!」

立ち上がると作業に取り掛かってくれた。











そして、とりあえずあの場所に自分達がいても役に立たない為。

「さ〜〜て!準備が出来るまで宿で一休みするか?」

ガイが欠伸をしながらそう言う。

「ま…まってくれ!」

その時ルークが皆を呼び止めた。

「どうしたの?」

止まったルークにティアがそう聞いていた。

「考えたんだけど……大陸の降下の事、俺達だけでやっていいのかな?」

そう……言う。

「え?どういうこと??」

アニスもルークの言っている意味がわからないようだ。

「だって……これって、世界の仕組みが変わる重要なことだろ?やっぱり 叔父上とかピオニー陛下と相談して、協力し合うべきなんじゃないかって。」

ま……まともな意見だ……。

ってか ええええ!!!

ルークがマジで!! 苦笑

「おいおい……ルーク……。」

「………はぁ。」

「大丈夫??熱無い!!!」

皆……同じ気持ち…… 苦笑


「だ〜〜〜〜!!!真面目にきけっつーの!!この際ちゃんと叔父上を説得して有耶無耶になっちまった平和条約を結ぶべきなんだと思うんだ!」


「ええ……ええ!その通りだわ!」

ティアも……感動したようにそう言う。

「ルーク……。」

アルも…ルークに近づく。

「これ……成功したらさ?本当に……本当にルークが英雄だとオレは思うよ!そのルークの想いが世界を動かすんだからさっ!」

アルはそう言う。

両手を掴んで。

「うっ……///」

ちょっと恥かしいようだ。

顔を赤らめていた。

「へ〜〜、あのルークがね〜〜。」

アニスも脱帽。

「まっ 彼なりに考えていたと言う事でしょう。」

ジェイドも感心しているようだ。

言葉に少しまだ棘があるっぽいけど。

その中、ナタリアだけは不安があったのだ。

「ですが!その為にはもう一度バチカルへ行かなけませんわ!」

そのことなのだ。

だが……ルークは。

「行くべきなんだ!」

はっきりとそういった。

自分自身も死刑宣告を受けているのにも関わらずだ。

「ルーク……。」

その決意に言葉に詰まる。

「ナタリアだって……わかってるんだろ?このままじゃ、いけないって。」

ルークがナタリアにそう問いかける。

同じ境遇だからこそ……わかることもあるのだろう。

ナタリアは……表情を再び落とし……。

「少し… 考えさせてください。」

「ナタリアっ!」

ルークは力強く説得しようとするが。

「それが一番正しいと言う事はわかってます!でも………。ッ!!まだ…まだ…私は怖い。お父様が私を拒絶なさった事……。ゴメンなさい。私臆病ですわね。」


そう言うと……走っていった。

「ナタリアっ!」

ルークが追いかけようとするが……。

「今は1人にさせてあげよう。ナタリアなら……きっと……。」

アルがそれを止めた。

彼女は強い……。

あんな事があっても凛としているのだから。


「そうですね……それが一番いいでしょう。彼女の決断を待ちましょう。」


そして一行は……そのまま、宿へと向かっていった。


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