小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#114 闇への招待

































翌日。




「……はは。もう大丈夫みたいだな。そのツラなら。」

ガイがルークたちを見てそう呟く。

「本当に………ね。」

そこにはティアもいた。

2人の表情……。

強い決意を感じられた。

だから……本当に安心できた。

「ご苦労様。ティア。」

ガイはティアにそう言っていた。

「……苦労だなんて、私はそんな風には思ってないわよ。」

ティアはそう言って微笑む。

「彼には……返しても返しきれない程に貰ってるから……。」

そう言って……背中を眺めていた。

「ははっ。そうだな。そいつはオレ達も同様かもしれないな。アイツがいて……助けられた。俺だけじゃない……。ルークもそう。アニスも……イオンも……ナタリアも……ジェイドの旦那もな。」

ガイもそう言い、2人を眺めていた。


「不思議な男だよな。アルは……。」

「………ええ。」

「オレ達も頑張ろうぜ?アイツが無理しないようにな。………つっても言われるまでもないと思うがな。」

ガイはティアを見て笑う。

少しからかってる感があるが……。

「勿論よ。無理させない……。彼をカバー……支えてみせる。」

強い決意を持ってティアはそういった。

「ははは………。」

ガイはそんなティアを見て笑っていた。




























広い広大な海を進んでゆき……。

「まもなく到着します。」

ついに目的地へと到着した。

そこは……。

嘗て……

「……………。」

アルは、空を眺めた

間違いない。

あの時……あの子と眺めた空だ。

瘴気が無くなって、今はっきりと見える。

あの時に眺めた青空。

本当に幸せだった……。

記憶の無い自分を家族として迎えてくれた。

……兄と慕ってくれて……大好きだって言ってくれた。

本当の息子として……愛してくれた。



自然とアルの頬に何かが流れ落ちた。

意識していたわけではない。


本当に自然に……。

息をするように流れ出たのだ。




「アル………。」



ティアは、そんなアルの隣に立った。

「……ここ アクゼリュス、だよね?」

「……ええ。」

ティアは頷いた。



「……変わらないよ。この空は……本当に。」


眺めながら……そう言う。

「この空を……守らないとね。 ……この作戦……頑張るよ。」

アルは、そう言った。

「ええ。勿論よ。」



「我々も負けていられませんね。」

ジェイドも同意する。

「全員が同じ気持ちですわ。必ず……成功させて見せます。」

「もっちろん!ここまで来たんだから!シェリダンの皆の為にも!大きな滝もなんでもないよっ!」

アニスは指差す!

そう……

そこは、アクゼリュス。

魔界へと堕ちていった街だ。

その大きな崩落跡は地核へと続いていたのだ。

巨大な滝で……。

本当に巨大で……。

「何でも……無くないかも………。」

アニスは引きつってる…… 苦笑


「覚悟決めろって!」

「さて、大丈夫です。決めるまでもなく。もう落ちますから。」



落下!!


「ひゃあああっ!」




パニーーーック!!  苦笑






「ですから 大丈夫です。譜術障壁展開。」


そのジェイドの声がスイッチとなっていたようだ。





“ゴオオオオオオオオオッ!!”




タルタロス全体が震えているようだ。

「えっえっ!ほんとに大丈夫なんですかっ!落っこちちゃってるのに!?」

「まあ、見ていてごらんなさい。アニス。」

ジェイドがそう言う。

「あ………。」

その言葉にアルも外を見ていた。


タルタロスの震えは収まりつつあり……。


「う……浮いてる。」

「ほんとだ……。」



そう……ゆっくりとした速度で魔界へと降りていっているのだ。




「圧力中和装置作動へ……補助動力起動………完了。主動力起動完了。それでは。」

ジェイドは視線をみんなの方へと向け、

「譜術障壁、高出力モードへ移行。……地核へ突入します!」



魔界の更に底へ……。

星の中心へ……。






“コオオオオオ…………………。”






暫く……皆言葉が見つからなかった。

ただ……光で満ちていて……。

外を見るまでも無くその光は窓を通してタルタロスの中まで光で満たした。





「惑星の……中?」

アルは……外をただじっと眺めていた。

「不思議な光ですわ………。」

ナタリアも、

「とても……綺麗………。」

ティアも……

女性陣は全員同じ感情だった。

惑星は……とても綺麗なところなのだ。

そして、美しい………。








「さて、一通り説明しておきます。」

暫く星の中を航行した後、ジェイドが説明を始めた。


「タルタロスはその船体ごと……振動発生装置へと役目を変えます。」


「……へ?」

ルークは説明を聞いて……理解が出来てないみたいだ。

「つまり、この船……ここで乗り捨てるってこと?」

アルが、そう聞く。

「ああ、そう言うことだ。ちょっと 可哀想だけどな。」

ガイは……音機関好きだからそう感情移入したんだろう。


「そして、装置を無事起動させたら我々は直ぐにアルビオールで脱出しますよ。譜術障壁が守ってくれている間にね。」

ジェイドは今後の行動についても説明をした。


「そうか……本当なら俺たちなんてぺちゃんこなんだよな。」

「時間は大丈夫ですの?」

ナタリアが時刻を聞く。

「残り5時間ほど。……予定通りだな。」

ガイが説明をしてくれた。



「………イエモンさん達が守ってくれてるんだ……。きっと……。」

「そうね……。」



2人はそう感じていた。

いや……きっと皆も同じだろう。




そして、地核のポイントに到着した。

「さて……振動発生装置、起動準備。」



“ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥン…………。”


“ヴォォォォォォォ………………。”



タルタロス本体が……動き出した。



「間に合い層でよかったね?嵐で遅れた時はどうなるかと思ったもん。」

アニスはほっとした様子でそう言う。

「ええ……間に合ってよかったです。早く地上へ戻りたいですわね。強大な圧力の中にいると思うと……やはり生きた心地が……」


作戦は順調。

そして、後は帰るだけだ。

だから……安心をしていたんだ。

でも……その次の瞬間!!!




“ブッンッ!!”




タルタロス内の電気が全て落ちた。

それと同時にあたりを闇が支配した。

「なっ……なんだ!!」

突然の停電に驚きを隠せない。

以前ジェイドが発動した骸狩りに酷似していたが。

状況は全く違う。

「負荷が大きすぎたのか??」

ガイはそうジェイドに聞く。

振動発生装置が強大すぎて、電力が落ちてしまったのか……?

「いや……非情系統が全く反応しない。これは……これは人為的なものだ!!」

ジェイドが調べながらそう叫ぶ。

「それ……それってどういう!!」

アニスが混乱しながら……聞くが。

「しっ……!!皆静かに!!」

ガイが耳を澄ませながらそう言う。




“ギシッ……ギシッ……ギシギシッ……!”




物音が……何処からとも無く聞こえてきた。

「くそっ!!」

ガイは直ぐに駆け出した。

「ガイッ!?」

「嫌な予感がする!!」

ガイは振り返らずに走り続けた。


そして、向かったところ……。



それを見たら直ぐにわかる。


……今……最悪の状態になっている事が。

















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