小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#14 食料の村 エンゲーブ






























【エンゲーブ】

エンゲーブにつくと、ジェイドは何やら村長さんと話があるようで、そちらの方へ向かっていった。

とりあえず、アルは…

「えっと…イオン…様も行くんですか?」

一緒に来ていたイオンに話しかけていた。

ってそれより……

あれ?アニスいない…?

「イオンでいいですよ。私もアルと呼びますから。私は少し気になる事があるので食料庫を調べに行こうと思ってます。」

「ああ・・・どうもありがとうイオン! 食料庫・・・ああさっき町の人達が話していた食料泥棒のことですか・・・ オレも付いていきますよ。いいですか?」

呼び捨てを許してくれたイオンに感謝した。

教団のトップってちょっと頭が固いのかと思ったけど・・・

イオンはそんな感じが全然しない。

だからこそ、人望があるのだろう。

「手伝ってくれるのですか?ありがとう。アルは優しいですね。」

満面の笑みだ・・・

「アニスがいないみたいですし、護衛は・・・こんなのどかな場所じゃ要らないとは思いますが、万が一もありますし・・・」

テレを隠しながら話す。

イオンも察してくれたようだ。

笑っていた。




後聞くところによると・・・アニスとはしょっちゅう離れるらしい・・・

故意なのか天然なのか・・・

恐らくは後者だろうな・・・

そんな風に考えていた。





村の食料子に来てみると・・・

「あああ・・・ こりゃ酷い・・・ 相当な空腹だったのかね・・・」

見たのは、見事に荒されていた食料庫だった。

まあ・・・殆ど残ってないや・・・根こそぎ盗られている。

この村の主力製品は食料。

何よりも価値のあるものだということだ。

何やら村が殺気立っているのはそのせいだろう・・・

「これは・・・・・・」

イオンは食料庫の中で何かを見つけたらしく。

その場にしゃがみこんだ。

「何かあったの?」

「・・・ええ これで犯人がハッキリしました。」

そう言うと、イオンは何か動物の体毛のような物を見せた。

「・・・んっと・・・ さすがにわからないか・・・ もうちっと勉強したらよかった・・・ 生き物系も・・・」

頭を捻りながら考えるがわからない・・・

「あああ!ごめんなさい。アル!これはですね聖獣 チーグルの抜け毛です。」

イオンは説明してくれた。

「謝らなくてもいいですよ。事実ですから、変に気を使わせるのもちょっと申し訳ありませんし、」

笑いながら話す。

イオンもわるそうにしていたが・・・最後は笑っていた。

「そういえば・・・チーグルって あの・・・えーっと ユリアと並んで教団の象徴になってる草食獣・・・ でしたよね?」

確認するように尋ねた。

「はい。その通りです!」

「ん・・・ 何で草食獣の彼らが・・・ ううーむ・・・」

腕を組みながら考える・・・

わかんないけど・・・

「とりあえず、村長さんの所に報告しに行きましょう。」

「そうですね。」

そういうと、村長の屋敷の方へ向かった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





着いたのはいいけど・・・

「何やら騒がしくないかな・・・?」

「そうですね・・・穏やかではありません・・・」




それはそうだ、

建物の中から「大人しくしろっ!! この泥棒め!」やら「こいつ漆黒の翼なんじゃね??」っとか聞えてくる・・・その後は 「ちげーーーーよ!!何でオレがんなことすんだよ!!!!」・・・・と メチャ大声で、





「早く言って誤解を解いてあげましょう!」

イオンはそういうが・・・

「ん・・・ 店先での泥棒だったら 庇えないですよ?」

オレたちがわかっているのは食糧庫の犯人だし・・・

「まあそうですが・・・ とりあえず入りましょう。」

「はぁ・・・そうですね。」

このドンちゃん騒ぎの中に入るのは気が引けるけど仕方ない。

扉を開けようとすると・・・

「ティアさんが・・・ 彼らは漆黒の翼じゃ・・・ 先ほど・・・逃走・・・私が保証します・・・」

ジェイドの声が聞えてきた。

それに 騒ぎも静かになっていた。

「丁度良かった・・・今のうちに入りましょう。アル!」

「そうだね。」

扉を開ける・・・



「それに 食料泥棒じゃなさそうですね」

皆がこちらを注目した。

「アル、イオン様。」

イオンはそのまま村長の方へと行き、先ほど見つけたチーグルの抜け毛を渡した。

「少し気になったので、彼と調べていたら部屋の隅で見つけました。」

「これは・・・チーグルの抜け毛だねぇ!」

それを見た村長も犯人を確定したようだ。

イオンはそれを確信し、

「ええ・・・恐らくはチーグルが犯人でしょう・・・」

「何か解せない点もありますが・・・ね」

イオンとアルで話を繋げた。

その時、

「ほら見ろ!!! だから言ったじゃねーか!!!」

赤毛の長髪の男が騒ぎ出した。

どうやら彼が犯人扱いされていたのであろう。

村の人たちは謝罪していた。

「ふう、一件落着のようですね。」

ジェイドは笑いながら言っていた。

「根本的な解決にはなってないと思うが・・・」

アルはジェイドに突っ込む。

「おやおや 貴方は優しいですね。いろいろとしなければならない事があるんですが・・・」

「まあ・・・ オレが連れてきてもらった理由もアバウトだし、アクゼリュスを助けるためには貴方方といた方が良いんですが・・・ やっぱり見過ごせないというか・・・」

少し暗い顔をしながら言った。

「ありがとうございます。アル。」

イオンが礼を言った。

イオンもチーグルと村について心配していたみたいだ。

イオンも言おうとしたが、アルが先に言ったのだ。

「ええっと・・・ 何の礼です?」

アルはそんな事はわからない為疑問を言ったが。

ジェイドは分かっているみたいだ。

やれやれといった感じで苦笑していた。

イオンもにこやかに笑っていた。

「はぁ・・・」

わかんないよ・・・

ため息をつくしかなかった。

「まあそれはさておき、とりあえず用事の方は終わりました。本日は遅いですし・・・この村で1泊させてもらいましょう。・・・貴方にも聞きたい事がありますし。」

そう言うと、村長さんに案内された。

どうやら宿屋じゃなく唯で部屋を使わせてくれるらしい。

そこにアニスも乱入してきた。

またまたイオンと楽しそうにもめていた・・・

それにしても・・・見ていて飽きない・・・ な・・・

そんな風に感じていた。

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