小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#15 ジェイドの疑念

























その日の夜の事だった。

なにやら…… ジェイドが…難しい表情を作って見ていた。

「…単刀直入に聞きましょう。貴方は記憶が無いといっていましたが、ならばあの譜術は一体何なのですか?」

ジェイドは昼間の時と違う。

若干目を鋭くさせ…聞いてきた。

「ええ・・・っと・・・ 何!って言われてもオレには記憶が・・・」

突然雰囲気が変わったため ちょっと引きながら言うが・・・

「おかしいですね・・・ あれ程の譜術が記載されている教本はありません。なのに貴方は完全に使いこなしていましたよ? 単に勉学だけでは到底身に付けられません。数週間の期間となれば尚更です。」

疑いの眼差しで見られながら言う・・・

イオンも少し庇ってくれてるみたいだけど・・・

(正直に言うか・・・ 信じてくれるかどうかはわかんないけど・・・)

これまでの事を、2人に話した。(アニスは女性なんで別部屋です!)


頭に響く「声」の存在・・・


そして、力を与えたのはその「声」のせいだという事を・・・


2人は暫く黙っていたが・・・

「俄かには信じがたい話ですが・・・・・・ 嘘を言っているようにも思えません。貴方については いろいろと調べては見ましたが・・・ やはり何も分かりませんでした。」

「そうですね・・・ 僕も彼は・・・ アルは嘘をついているようには見えません・・・」

よかった・・・

2人とも信じてくれた・・・

普通なら信じられないような事なのにな・・・

オレは心の中からほっとしていた。

ジェイドは・・・

(過去が無い・・・ まさかとは思いますが・・・ 同位体複写技術(フォミクリー)・・・?あれは、生物に対しては禁止されてる禁忌の術のはずです!いえ・・・ まだ決め付けるわけには、彼と瓜二つの人物でもいたら・・・ その線もありますが・・・)

難しそうな顔をして考え込んでいた。

「ん・・・? 何か不満だったか? ジェイド。」

少し不安になったため聞いてみたが。

「いえ、少し考え事をしていただけです。 貴方の事は町の・・・ アクゼリュスの人たちに頼まれましたからね・・・ しっかり面倒を見ないと。」

笑いながら・・・言われた・・・

面倒って・・・ 子供じゃないんだけどな・・・

まあ 知識は殆ど無いに等しいけど・・・

いや・・・結構覚えてると思うんだけどなぁ・・・

実際に見た事無い物もたくさんあるけど・・・

「それに僕は貴方の言う「声」が気になりますね・・・ 聖なる焔・・・ そして解放・・・」

なにやら難しい表情をしてイオンは考え込んでいた。

「ひょっとして・・・意味がわかるのか?」

イオンの表情からそう思い聞いてみたが。

「いえ・・・ ちょっと確信がもてないんです・・・ すみません・・・」

話しちゃ不味い事なのかな・・・?

とりあえず、

「確信がもてれば・・・よろしく頼むよ。」

イオンはアルの表情から、気を遣わさせてると感じた。

「すみません・・・ わかりました。」

「うん。期待してるから。」

そしてジェイドから、

「まあ、確信がもてない事を無闇に話しても混乱するだけの可能性がありますからね〜 その方がいいですよアル。」

はっはっはーって感じだ・・・

こいつは・・・何か知ってるみたいだな・・・

まあ ジトーっと見てたけど

かるーくいなされた。

その日の話しはそこまでで・・・ 終了した。

-16-
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