小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#21 チーグルの森・決着



























「深遠へといざなう旋律・・・」

「うおおおお!!!!」


「ナイトメア!」「双牙斬!!!」


ルークとティアが譜術と剣術を同時に入れるが・・・

ライガ・クイーンはそれをかわし…!

「!! ルーク はなれろ!」

アルが叫ぶ。

すると砂埃からライガ・クイーンの巨大な腕が出てき、ルークを弾き飛ばした。



“ドガアアアアア!”


「がっ!!」

ルークはそのまま、激突する…。


「ルーク!!」

ティアはルークに駆け寄る。

「ティアさんはルークを頼む! ・・・熱く滾りし獄炎。 聖なる龍の姿となりて我が敵をを喰らい尽くせ!」

アルの周囲が赤く染まっていき・・・


「ドラゴ・フレイム!!」


その次の瞬間、炎龍(サラマンダー)が飛び出しライガ・クイーンを襲う。


“ガアアアアア!!!”


ライガ・クイーンはそれに気付き、炎龍をはらおうとするが、そう簡単には消えない。

が・・・


“ガアアアアアア!”


クイーンが雄たけびを上げたその時、

無数のライガたちが一斉にアルに飛び掛ってきた。



「しまっ!!」



“ドガアアア!!”



「がはっ!」

連撃を受けアルもまた吹き飛ぶ。

「アル!!」

ティアも駆け寄って、治癒術を使用した。

「あッ ありがとう…。 くそ・・・ あの炎龍は俺に攻撃したら消えるってわかったのか?かなり賢いんだな・・・ アイツは。」

傷を拭きながらライガ達をにらみつけた。

術者と炎龍は完全にリンクしている。

それを絶てば…。

制御を失って消滅するのだ。




「かなりの強さよ・・・! 援護は任せて、近接戦闘は頼んだわ ルーク!アルは周りのライガをお願い!」

「お・・・おう!」

「わかった。あいつらがいたら クイーンに集中できないからな、兵隊は任せてくれ、直ぐにそっちに行くから。」

そう言い合うと、

ルーク達は一気に飛び出す。












「さあ、お前らの相手は俺だけだ、さっきは不意打ちだったが今回はそうは行かないぞ!」

無数のライガ達はアルのみを標的としていた。

恐らくは女王の指示だろう、それだけ先ほどの譜術を脅威と思ったようだ。

「……好都合ッ」

仲間達はこれでクイーンのみに集中できる。

そして それぞれの第2ラウンドが始まった。





















ルークは苦戦をしながら、あることを思い出していた。

屋敷にいたときのことだ。

(相手がどんな奴でも やられる前にやっちまえばいいじゃんか)

今は・・・かなり押されている・・・

(では 私にも?それが通用するというのか?)

師匠の言葉が頭をよぎる・・・

(今の俺じゃかなわない・・・ 師匠(せんせい)・・・!!)


その時、

「やれやれ、見ていられませんね・・・ 助けてあげましょう。」

声が聞えてきた。

「「!!?」」

「あっ!」

アルも粗方ライガ達を倒した為、ルーク達の助太刀に行こうとした直前だった為 直ぐに確認する事が出来た。

「ロックブレイク!!」

そう声の主が叫ぶと、ライガ・クイーンの足元が一気に変化!

石の槍となり、襲い掛かった。

「ジェイド!」

アルが駆け寄る。

「今は話しは後にしましょう。 あの時と似たような状況でしょう?」

ジェイドがそう言うと、アルも頷いた。

「だね。こっちも兵隊は片付いた…。……決着をつけよう。」

アルとジェイドが詠唱に入る。

「「天光を満ところに我はあり・・・ 黄泉の門・・・開くところに汝あり・・・ いでよ!神の雷!!」」

アルもジェイドと同時に詠唱に入っていた。



この譜術は雷の譜術の中でも最上位。

かなり難解な…高度な術なのだが……。

アルは難なく使用している。


(ふっ やはりこれも使えますか・・・)




ジェイドは横目でアルを見るとうっすらと笑っていた。

もう…本当に驚かないといった所か…?

「ティアさん!ルーク!そこをはなれろ!!」

そう叫ぶと、ティアはルークを掴み離れるように促して、その場を離れた。

「よし!」「ええ!」

アルとジェイドが頷きあう。

「これで終わりです!「最後だ!」」


天空より束ねられた二つの雷が一つになる!!


「「インディグネイション!!」」


“ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァン バリバリバリバリバリッ!!”


その特大の雷が2本合わさり更に強大となりライガ・クイーンに降り注いだ!  


“グ・・・グオ・・・オオ・・・”



ズズン・・・





ライガ・クイーンはゆっくりと倒れ、動かなくなった。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ルークはそのままその場に座り込んだ。

割れた卵やライガたちの骸を見ながら・・・

「なんか・・・後味悪いな。」

そう呟いた。

それを横で聞いていたティアは、

「・・・優しいのね、それとも甘いのかしら」

切なそうな寂しそうな・・・そんな表情だった。

だが今のルークにとっては・・・

「・・・冷血女・・・!」

そう思うしかなかったのだ。

「ルーク・・・ 仕方ないさ。やらなきゃこっちがやられていたんだ。割り切れないのは良く分かる・・・」

アルもそばに来てそう言う。

「ふん・・・」

ルークはただ黙っていた。









「ジェイド・・・すみません勝手なことをしてしまいました。」

3人からちょっとはなれた場所ではイオンがジェイドに謝罪をしていた。

「貴方らしくもありませんね、イオン様」

「チーグルは始祖ユリアとともにローレライ教団の礎です。彼らの不悉はボクが責任を負わないと・・・」

・・・イオンはそう言った。

ジェイドはイオンの状態に直ぐ気がついていた、

「・・・そのために能力を使いましたね?医者から止められていたでしょう?しかも民間人を巻き込んで・・・」

「すみません・・・」

イオンは再び謝罪をする。

すると、戻ってきたルークが、

「おいオッサン 謝ってんだろそいつ、ネチネチ言ってねぇで許してやれよ。」

そう言って離れていった・・・

「おやおや、意外ですね 街で貴方を見てましたが・・・ こういう性格だったのですかね?てっきり愚痴ると思っていたのですが。」

「ルークはイオンの事が好きなんじゃないかな?」

側に来たあるがそう言う。

「え?」

イオンはきょとんとしていた。

「俺もそうだったけど、何にもわからない状態で・・・自分すら何者か分からないような状態で・・・そんな時、自分に構ってくれたり、頼りにされたりしてると・・・自分の存在を肯定してくれえているかのような感じがするんだ。そう言う風に接していただろ?イオンはルークに。」

そう言うと、イオンは笑っていた。

「彼は優しい性格なんですよ。それを表に出すやり方がわからないだけで。」

「ははは。」

アルも笑っていた。

「いやはや、こうやって聞いていると アル、貴方が記憶喪失だなんて信じられませんよ。嘘なんじゃないですか?」

苦笑しながらそう言うのはジェイド。

「・・・そうだったらいいんだけどね。」

苦笑でアルも返す。

この表情を見ただけでアルは真実を言っていると容易に信じられる事が出来る。

目が凄く澄んでいるのだ・・・

嘘をつくような目には見えない、

イオンはそう感じていた。

「ってなわけでさ、イオン!ルークのとこにいってあげてくれないかな?結構ショックがあると思うんだ。」

「そうですね。分かりました、」

イオンはルークの方へ行くと、先ほど庇ってくれた事のお礼ともう少し付き合って欲しいことを伝えた。

ルークはやはり少しショックだったのか元気が無い返事を返した。

そして一行はチーグルの長老へ報告をするために住処へと戻っていった。









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